2014.12.17

これで完結?「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」

 昨年9月にテレビ放送が終了した「宇宙戦艦ヤマト2199」。最終回終了後、突如として「完全新作劇場版 2014年公開」が告知。しかも「ガトランティス」が登場するということで、ストーリーについて様々な予想がなされていました。1年3ヶ月を経て、ついにその謎が解かることに。それは、本編の間に起こったことを解き明かすミッシングリンクだったのです。
 ガミラスとの戦いに打ち勝ち、イスカンダルでコスモリバースシステムを受領したヤマトは地球に向けて帰路を急いでいました。ところが正体不明の艦隊に遭遇、攻撃を受けます。新たな敵、ガトランティスの新兵器の攻撃を辛くもかわしてワープしたヤマトでしたが、異空間に迷い込んだ上、謎の星へと誘導されてしまいます。そこには、彼らにとって意外な先客がいたのでした。


ミッシングリンクの物語、本編の謎が解けました。

 意外な人物の登場があったり、過去シリーズとのオマージュがあったりとなかなかに楽しめました。なにより本編でいまひとつ存在感のなかった古代くんがようやくいいところを見せてくれたので、ようやく主人公になった感が出てきました。また、本編であまりスポットが当たらなかったメンバーの活躍もあり、面白かった。
 ようやく往復336,000光年の物語が完結しましたね。こうなると、「さらば」に該当するストーリーもぜひ見てみたいものです。

2014.11.17

ついに映像化!「真夜中の五分前」

 私の一番好きな小説、本多 孝好の「真夜中の五分前」がついに映像化。年末公開とのことです。
 舞台が上海に変わっていたり、色々と設定変更はあるようですが主題は原作のままのよう。ミステリー色の強い作品に仕上がっているようですね。不安もありますが、楽しみでもあります。


舞台は変わってしまっていますが、楽しみではあります。

2014.10.19

静かに淡々と「蜩ノ記」

 日曜日に行っていたMacの環境再構築が思いの外早く片づいたので、午後に映画を一本見に行きました。作品は時代劇「蜩ノ記」です。役所 広司と岡田 准一という時代劇として新旧の顔合わせとなった本作は、日本の原風景も期待して見てきました。
 檀野庄三郎は城内で刃傷騒ぎを起こしてしまい、その罰として家老から赦免の代わりに意外な依頼をされます。それは元江戸用人だった戸田秋谷の監視でした。秋谷は7年前、主君の側室と密通した罪で十年後に切腹することを申し渡され、それまでの間に家譜を編纂することを命じられていたのです。それまであと三年の間、庄三郎は秋谷一家と寝食を共にすることになります。本人との話や家族を通じ、少しづつ変わっていく庄三郎でしたが、その時は刻々と近づいてくるのでした。


静かに、淡々と進むストーリー。あまり山場もなかった印象です。

 ちょっと期待が過ぎたかな...? 芝居も主演・ベテランはさすがに迫力がありますが、それ以外のところではちょっと興ざめしてしまったかも。ストーリーも盛り上がり感には欠けるので、物足りなさが一層際立ちました。
 一方で見ていて「ほっとする」というのも事実で、家族の団欒など「なんだか懐かしい」気分がしました。やっぱり知らず知らずのうちに「日本の原風景」に引き込まれちゃったのか...?

2014.09.28

遠回しすぎて...「2つ目の窓」

 見逃していた今年の話題作です。河瀬 直美監督がカンヌ国際映画作品に「パルムドールを狙う」と宣言した「2つ目の窓」。残念ながら戴冠はならなかった(賞レースというのは相手がある話ですから、なかなか思い通りには...)わけですが、メディアに取り上げられることも多かっただけに一度見ておこうと思い劇場まで行ってきました。
 奄美大島に暮らす母子家庭の高校生、界人と、母親が余命いくばくもない同級生の杏子。お互いに好意を持つものの母親への苛立ちと「死」の理解に悩む2人の姿を描いた作品です。


なんだか映像がアマチュアっぽく見えてしまった...。
(画像に触れると表示が変化します)

 なんだか感じることが少なかったかな。主演2人はフレッシュで「痛さ」は伝わってきます。奄美の風景の美しさもいいのですが、ちょっとカメラワークがアマチュアっぽいと感じるところも。シーンのつながりについていけないところもあって、あれれれ?と思っているうちに次のシーンに移ってしまうところも。結果的に物語の起承転結がはっきりしていないように見えて、余計にその感が強い。この感想、私の理解力不足なのか?

2014.09.21

嘘から始まった本当の気持ち「がじまる食堂の恋」

 新宿までミニシアター系の作品を見に行ってきました。作品は「がじまる食堂の恋」です。以前、沖縄が舞台の「カフーを待ちわびて」が非常によかったので、今作も楽しみにしていました。人気も高いようで、日曜昼の上映回も座席がほとんど埋まっていました。
 舞台は沖縄・名護市。市内にある「がじまる食堂」を一人で切り盛りするみずほは、1年前に亡くなった祖母から店とレシピを受け継ぎ忙しい毎日を送っていました。ある日、バス停で突然青年から「財布を盗まれたので金を貸して欲しい」と声をかけられます。押しの強い隼人に転がり込まれたみずほは、その夜突然元カレの翔太が訪ねてきます。言い寄られるのも困るし、何も言われないのも寂しいと思うみずほでしたが、それを聞いた隼人は恋人のフリを買って出るのでした。そこに翔太の絵のモデルとして名乗りを上げた莉子が絡んで奇妙な交流が始まります。実は四人はそれぞれに打ち明けられない秘密があったのでした。


最後のシーンは納得ですが、結末にはちょっと唐突感があるかな。

 ストーリー的には楽しめましたが、沖縄の美しい風景という意味ではちょっと物足りなかったかな。
 最後の結末には納得したのですが、そこに至る描写がちょっと甘いせいかやや唐突感がありました。もうちょっとみずほと隼人が相手に思うことを丁寧に描いた方がよりよかったように思えます。

2014.09.10

天使の中の悪魔に戦慄した?「百瀬、こっちを向いて。」

 ここのところ忙しくて、会社で集中している時間が長くて週末はヘトヘトです。このためこの3週間はまったくお出かけができていませんでした。このままでは集中力も下がるし気分転換もできないということで、忙しい中ですがあえて有休を取り映画に行ってきました。作品は「百瀬、こっちを向いて。」。近くの映画館での上映に行き損ねたので栃木県小山市まで出向いての鑑賞です。同名小説がどう映像化されたか楽しみでした。
  新人小説家の相原ノボルは母校での講演のため15年ぶりに帰郷します。彼は駅で尊敬していた先輩、宮崎瞬の彼女だった神林徹子に再会します。実は宮崎は在学中、神林とノボルと同学年の百瀬陽と二股をかけていて、それを神林に悟らせないためにノボルと百瀬が付き合っているように演技をさせていたのでした。やがて二人ともそれぞれの想いが行き場をなくして苦しくなり、ノボルのとった行動は...。


初々しさ、若さ、苦しさと切なさ。よく描けてると想う。

 正直あまり期待していなかったんですが、見ているうちに引き込まれました。原作はあまり印象に残らなかったのですが、 映像化によりそれぞれの想いがいっそう明確になって、ストーリーの芯がしっかり見えてきました。役者も比較的経験の浅い人が多いのですが、それを感じさせない出来だったと思います。
 ただ、最後の神林の反応には「戦慄」しました。小悪魔より天使の方が実は怖いってことですかね?

2014.07.27

いったい何が主役なの?「GODZILLA」

 久しぶりの映画は話題作、ハリウッド版の「GOZILLA」です。以前にも制作されたことはありましたが、そちらは継承されたのは名前だけという作品でした。今回の「ゴジラ」はオリジナルテイストを大切にしつつのリメイクということで期待大。さて、日本の誇るキャラクターの世界デビューは如何に...?
 15年前の日本で原発事故が発生。事故で母を失ったフォード・ブロディはその原因を追い続ける父が逮捕されたとの報を聞き、日本へ向かいます。原発事故の跡地で彼が見たものとは...? そして、世界に迫る危機とは一体何か?


いったい誰/何が主役なんだかさっぱり。

 確かに映像は凄かった。ホノルル、ラスベガス、サンフランシスコは見るも無残に壊滅。ゴジラも咆哮がオリジナルに近い迫力あるものになっていました。
 ただ、全編を見終えて思ったことは「いったい何がメインなんだ?」ということ。途中まではゴジラの出番も少なく暴れ回るのはその対局の存在のみ。電磁パルスの影響で兵器が役立たずになるのはともかく、「核兵器の申し子」というオリジナル最大の特徴がきれいさっぱり消えているのが気になる。家族の扱いもステレオタイプ。とてもクリティカルな原発事故の後に書くようなストーリーではないよな...。
  期待とは裏腹に、やたらと中途半端感が残った作品でした。

2014.06.21

【番外編】DVD「機動戦士ガンダムUC」Episode 1〜7

 2009年よりOVAで展開されてきた「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」がこの度ついに完結。宇宙世紀正史の作品なだけに気にはなっていたものの、「全部リリースされてから見よう」と思っていました。最終巻のリリースによりついにその時が訪れたわけです。土曜日の朝から夕方までかけて全7話を一気に鑑賞。
 シャアの反乱=第二次ネオ・ジオン抗争から3年後、宇宙世紀0096。ビスト財団はネオ・ジオン残党である「袖付き」に、連邦政府を転覆させることができると言われる「ラプラスの箱」の譲渡を持ちかけました。対する地球連邦軍もその動きを察知したため、再び戦端が開かれてしまいます。それに巻き込まれた少年バナージは、謎めいた少女オードリーと行動するうちに、ビスト財団の当主から「ラプラスの箱」の「鍵」とされる純白のモビルスーツを託されるのでした。その名は「RX-0 ユニコーン」、宇宙世紀100年の呪いとはいかなるものなのか...?


4半世紀の後に、また続きが見られるなんて!

 これの前日譚に当たるのが1988年に公開された劇場映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」。あれから26年、その続きが見られるとは感激です。登場人物、登場メカニックそしてガジェット類まで懐かしいものが盛りだくさん。「Z」「ZZ」「逆襲のシャア」はもちろんのこと、「閃光のハサウェイ」までフォローされていて、これこそミッシングリンクです。特に最後のシーンには驚きの人物たちが登場、それには驚愕しました。
 また、特筆すべきは音楽のすばらしさ。スケール感の大きなダイナミックなサウンドトラックはこれだけでも聞く価値があります。ストーリーとのマッチングはガンダム史上最高かも。

2014.06.18

大自然の中、笑顔が溢れる「春を背負って」

 有休を使って見たかった映画を観賞してきました。先日原作小説を読んだ「春を背負って」です。舞台が奥秩父から富山県の立山に変更されるなど、原作から変わったところもあるのが気掛かりですが、出演者をずらりと見てみるとみな一級の人ばかり。それでいて監督は大自然を撮らせたら右に出る人はいないという人ですから期待は高まります。
 東京でトレーダーをしている長嶺亨は、富山県の立山で山小屋を経営していた父の突然の訃報に接します。後に残されたのは民宿を経営する母だけ。父を手伝っていた高澤愛と母の三人で訪れた彼は、そこで山小屋を引き継ぐことを決めます。父の後輩で山男の多田悟郎の協力を得て、亨の新しい人生が始まるのでした。


美しい景色、素のままの表情がいい。

 期待通りの映像美でした。立山の美しい風景や厳しい自然、そこで働く人々の生き生きとした表情。大自然の中では素のままの自分があるだけ。小屋を訪れる人も個性的で、嫌みのないすっきりとした作品でした。登場する人々の笑顔がとても印象的でした。ラストはなんだか無理やり締めくくった感じで、もう1エピソード欲しかった。
 一方でちょっとだけ気になるところもあって、音楽と映像とのマッチングがいまひとつだったり、場面の切り替えに唐突感があったりもしました。このため「劒岳 点の記」と比べてしまうとちょっと落ちるように思えました。

2014.06.01

これが日本の限界か「キカイダー REBOOT」

 あまりにも暑いので映画館に避暑に行ってきました。ついでにこの日は「映画デー」のためチケットが一律で1,100円、これはおトク。さて、作品は肩肘張らずに見られるものをチョイス、「キカイダー REBOOT」です。これもロボコップと同じで再起動ですか...?
 日本でロボット開発による経済活性化をもくろむ「ARKプロジェクト」が開始。その中心である光明寺博士は不慮の事故死をしてしまい、博士の娘ミツコと息子のマサルは謎の組織から追われることに。彼らを救ったのはジローと名乗る謎の青年、彼は実は光明寺博士の製作したアンドロイドで、博士から二人を守る任務を与えられたとのこと。一方、光明寺博士と対立してきたギルバート・神崎教授はプロジェクトそのものを暴走へと導くのであった...。


これが日本特撮の限界なのか? ちょっと不満。

 うーん、ちょっと厳しいなあ。ストーリー的に芝居がどうのこうのいうわけではありませんが、 あまり予算がかかっているようにも思えないし、ちょっと物語に奥行きがなさすぎるかな。20年前ならまだ観賞に堪えたかもしれませんけど、「ターミネーター」「ロボコップ」を見てきた人にとっては「これが日本の限界かな」と思わせるようなところがあるのではないでしょうか。

2014.04.06

空想の中では皆ヒーローになれる「LIFE!」

 予告編を見て鑑賞したいと思っていた作品をようやく見てきました。「LIFE!」です。オフィシャルサイトでは5つの質問が訪問者に対してなされていますが、私は4つ(!?)該当しました。
 ニューヨークの老舗雑誌「LIFE」の写真部で、ネガの管理を担当している ウォルター・ミティは特に誇れるものも持たない冴えない男。気になる女性にも声をかけることができないほどの彼の唯一の楽しみは空想、その中では彼はヒーローになれるのです。ところがLIFE誌がオンライン発行になり、最終号の表紙を飾るはずのネガが行方不明になっていることが発覚。彼はネガの在り処を写真家のショーン・オコンネルに訊ねるべく、グリーンランドへと向かうのでした。そこで待っていたものは...!


空想が突飛すぎてちょっと飛んでるけど、いいストーリーかも。

 最初の感想は「なんだこれ」でした。空想があまりにも突飛すぎるもので...。ところが彼がグリーンランドに向かうあたりからはどんどん盛り上がってきて、息もつかせぬ冒険物の雰囲気になってきました。
 最後のシーンはすばらしい。コツコツ続けたことが報われる、そんな喜びが味わえます。行方不明になっていたネガに写っていたものは、ぜひ作品を見て確認すべきです。
 ちょっとバランスは良くなかったような気もしますが、鑑賞することの意味は見いだせました。

2014.03.19

アップデート&リブート「ロボコップ」

 久しぶりの有休は映画です。といっても最近あまり見たいジャンルの作品でいいものが見当たりません。そこで「スカッとできるもの」という基準で選んだのが「ロボコップ」、26年前に公開された作品のリメイクです。当時とは世相もテクノロジーも大きく変化していますが、さて今回の映画ではそれがどう表現されているかが楽しみでした。
 舞台は2028年のデトロイト、巨大企業オムニコープは海外では治安維持ロボットを運用し、莫大な利益を手にしていました。にもかかわらずアメリカ国内では法律でその運用が制限されていました。心を持たないロボットへの市民の反感をなくすことが必要だと感じたCEOは「人間」と「ロボット」の融合という奇策に出ます。その第一号となったのはデトロイト市警のマーフィー巡査。彼は犯罪者組織に狙われ重傷を負い、被験者となってしまうのでした。「自我」を持つ機械の警官は、果たして世の中を変えられるのか...?


スタイリッシュにはなったものの...。

 映像はさすがに今風になっています。黒に変更されたボディもスタイリッシュで、スマートになった感じ。動きもオリジナルの重厚なものから、非常に素早く滑らかなものに変わっています。ASIMOに代表されるヒューマノイドロボットの進化を考えると「10数年後にはこれぐらいはあるかも?」と思えてしまいます。専用車がバイクになったのも面白い変化です。
 ストーリーは概ね前作通りですが、家族とのからみが新しいところです。一方でオムニコープ関係者への制限をどう乗り越えるかの描写が甘いので、一見ではちょっとよくわからない部分もありました。
 しかし、全編を通して貫かれているのが「アメリカ社会に対する痛烈な皮肉」です。特に冒頭の部分は現実世界の状況と相まって考えさせられるものになっています。

2014.02.22

好敵手がいることの尊さ「ラッシュ/プライドと友情」

 「永遠の0」の時に予告で流れていた作品がこれ、ロン・ハワード監督の「ラッシュ/プライドと友情」です。映画としては珍しくF1を舞台にしたもので、伝説のシーズンと呼ばれる1976年のレースを軸に展開する人間模様を描いています。見どころはもちろんレース、当時のマシンがどれだけ再現されているかも楽しみにしていました。
 1970年、F3ドライバーのジェームス・ハントは初めてニキ・ラウダとレースを戦います。ハントがラウダを押し出したことで険悪なムードになりますが、これは壮絶なライバル関係の始まりでしかなかったのです。ともにF1にステップアップし、トップチームで1976年のチャンピオンシップを争うことになりますが、第11戦ドイツGPでラウダは大事故に見舞われてしまいます。ラウダ不在の間に着々と差を埋めたハントと、それを横目に再びサーキットに蘇ったラウダ。決着は第16戦の日本へ...。


レースの様子は迫力満点、クラシカルマシンが活きて蘇る!
(画像に触れると表示が変化します)

 映像は期待通りでレースの迫力は満点で、思っていた以上にレース場面が多くて嬉しかった。映画館ならではの音響効果もあって、まるでサーキットで楽しんでいるよう。フェラーリやマクラーレン、ティレルやロータスなど、もはや伝説となったマシン群が走っている様は、ハイテク全盛の現代レースよりも面白い。
 さて、この映画のテーマはサブタイトルにもある「プライドと友情」。お互いに嫌な奴だと反目しつつも、実は認めあっているというのはよくある関係ですが、この作品では「両方が勝者」と私は理解しました。ライバルは自分を高める存在であり、それがいるということはとてつもなく幸せである、ということですね。羨ましい。

2014.01.18

映画ならではの演出「永遠の0」

 年末年始でぜひ見ておきたかった作品が「永遠の0」です。ちょうど2ヶ月前に原作小説を読みましたが、これが映画化されて昨年末から公開になっていました。
 司法試験浪人中の佐伯健太郎は、祖母の死をきっかけに太平洋戦争中に亡くなったという本当の祖父がいたことを知らされます。彼がどんな人物だったかをフリーライターの姉と調べることにしました。祖父の名は宮部久蔵、終戦の間際に特攻機に乗り命を落としたとされています。彼を知る様々な人物が語る彼の姿は、様々な言葉でまとめられます。操縦の天才、憶病者、正直な人...。そして、彼の最期の姿を語ったのは、意外な人物でした。


映像化の取捨選択が上手く行っていたように思えます。
(画像に触れると表示が変化します)

 映画化されるとどうしても尺の都合でエピソードの取捨選択が発生します。原作がある場合、これが上手くいくかどうかで作品の成否が決まるといっても過言ではありません。映画と小説は別物であるとは言え、全く関係のない話にはなるはずもない(最近はそうとも言えない?)ので、やはり重要なポイントです。その観点で言えばこの作品は良いバランスをとっていたように思えます。
 同じことを示すエピソードが身近なものに差し替えられたり、登場人物の整理が行われて物語の見通しがよくなって分かりやすくなりました。一方でやや残念なのが映像的な「物語のスケール感」で、太平洋戦争の始めから終わりまでをフォローする内容なのに、その奥行きがやや足らなかったようです。ただ、零戦や航空母艦のSFXはよくできており、動きに引き込まれました。一見の価値がある作品です。