2017.10.27

合点が行かなかった「君の膵臓をたべたい」

 デリーに向かうANA便の機内で「君の膵臓をたべたい」を見ました。住野 よる氏による原作小説の映画化です。今年の年初にiPadで読み、結末に大きく衝撃を受けたのは記憶に新しい。それがどう映像化されたのかが私の主な視点となりました。ストーリーはBooksの方で書きましたので、ここでは割愛します。


ちょっと出来栄えとしては納得できないかな...。

 個人的にはちょっと残念な出来栄えでした。ストーリー展開はほぼ原作通りなのですが、印象的なところがぽっかりカットされているように思えたのです。特に原作では「僕」と恭子とのやり取りにウェイトが置かれていたのに、今作でそこがあっさりしすぎているのが気になりました。また、「僕」の最後のメールメッセージが、桜良に届いていたかどうかが大事なところだったと思うのですが...。
 切なさは充分すぎるほど伝わったのですが、本当に描くべきは桜良によって変えられた「僕」や恭子の成長だったと思うので、そこが不充分に思えたのが惜しい。

2017.10.22

「龍馬伝」FINAL SEASON RYOMA THE HOPE

 駐在により視聴する時間が取れるだろう、ということで持参して見始めた2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」のFINAL SEASONをこのDiwali休みに見終わりました。2015年の4月から始めたので、最初の思いとは変わってなんと2年半かかってしまいました。SEASON 3からは1年以上開いてる(苦笑)。
 FINAL SEASONは長州征伐からいろは丸事件、長崎での水夫殺害事件、大政奉還、そして龍馬暗殺まで。


「竜馬がゆく」に比べ、背景説明にちょっと物足りなさもあるかな...。

 全体を通しての印象ですが、これまで見てきた、読んできた竜馬像に比べると「等身大としての青年の姿」がより強調された作りになっていたように思われます。終盤の大政奉還に向けて、これまで出会ってきた人々から得た知識、思想を具現化していこうとする構成は見事で、1年を通すという「大河」をスケール感をもって描き切っていると言っていいでしょう。
 ただその一方、その複雑な政治的な背景をざっくり切り落としたがために「なぜ彼が暗殺されなければならなかったのか」の説得力が乏しいと感じたのも事実。このあたりがもう少し説明されていたら、もっと重厚さが付加されたのかもしれません。

2017.08.26

32年越しの完結「銀河漂流バイファム」

 日本で買ってきていたDVDを2ヶ月かけて見終わりました。「銀河漂流バイファム DVD-BOX」です。
 この作品、1984〜1985年にかけてTV放映されていたロボットアニメ作品です。少年少女が異星人との戦争に巻き込まれ、自分たちだけで宇宙船を操り両親達が避難した地球を目指す...というものでした。
 ところが私の住む高知では全48話のところを23話で打ち切りになり、その後の展開は見られなかったのです。後年、録画されたビデオで部分的には見たものの、歯抜け状態だったので全話見るのは初めてでした。


ようやく全話視聴が完結、やはりラストシーンは秀逸です。

 さてこの作品、ラストシーンが秀逸です。特に通して見るとやはり感動します。一方で前半と後半で作風が全く異なるなど、作品としてはチグハグな印象を持つ部分もあるのですが、メカニック描写やコンピューターとの対話など、今あるテクノロジーを彷彿とさせるような描写が多く見受けられました。あのころの夢が、もう実現してるわけです。

2017.08.15

映像化成功事例だと思う「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

 日本で買ってきていたDVDを視聴しました。タイトルは「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」。原作は昨年の6月に読んでいます。原作も楽しく読めはしたのですが、設定の複雑さが原因で、シーンの裏に隠れた意図がなかなか読み取れずに複雑な印象を持ったのを覚えています。さて、それがどう映像化されたのかに注目しました。
 ストーリー紹介は「Books」で一度述べているので割愛します。


原作を読んだ時にはやや違和感が残ったのですが、これなら意図が伝わる。

 結論から言うと「納得の出来栄え」でした。最近、原作が話題になるとすぐに映像化され、その出来は賛否両論になることが多いのですが、本作は成功事例だと思います。主演二人の表情や仕草がとれも自然なのもいい。
 まず、設定のわかりにくさを丁寧に見える形にしてくれていること。そしてイベントの流れを両側から辿ることで「すれ違い」を収束させ、それに隠されていた想いを見る側に伝えてくれました。彼女にとって最後、そして彼にとって最初のイベントで彼女が発するモノローグは、切なくもある一方、「よかったね」と思えました。
 原作の足りなかかったところを補完した「完全版」と言っていいと思います。

2017.07.14

まだ導入部「機動戦士ガンダム サンダーボルト」シーズン2完結

 3月から始まった「機動戦士ガンダム サンダーボルト」シーズン2の最終話(第8話)が配信開始されました。
 原作がまだ連載継続中ということもあり、とてもシーズン2で終わるとは思えませんでしたが、盛り上げるだけ盛り上げて終わったしまった印象。南洋同盟をめぐる謎が明かされただけで終わってしまったこのシーズンは、結果的に見て単なるプロローグに過ぎない位置づけだった言わざるを得ません。


振り返るとあまりシーズン2は新しい舞台の紹介だけで終わったような...?

 こうなるとシーズン3がいつ制作されるかが気になりますが、この企画は本当に最後まで行けるんでしょうか?

2017.07.08

初々しさが印象的「いま、会いにゆきます」

 インドから日本に向かうANA便の中で「いま、会いにゆきます」を見ました。原作は市川 拓司氏の小説で、ちょっと古い2004年の作品です。私は原作小説は読んでいるものの、映像化されたものを見るのは今回が初。いったいどんな風に描かれているのかを楽しみに見ました。


脚本はあの岡田 惠和氏、さすがいい仕事しますね。

 原作小説ではわかりにくかった部分が丁寧に描かれていて好印象でした。特に澪が消えてからのエピローグは下手に描くと冗長的になりかねないところを物語の余韻が残るように展開されているのがよかった。また、主演二人の初々しさも特筆すべき点だと思います。

2017.05.29

尺の割に物足りないと感じた「海賊とよばれた男」

 インドに向かうANA便で「海賊とよばれた男」を見ました。原作、監督そして主演がヒット作「永遠の0」と同じ。明らかに二匹目のドジョウを狙ってますね。私はちょうど昨年の今頃に原作を読んでいるので、ストーリーについてはここでは割愛します。


結構長い作品なんですが、それでも物足りなく感じてしまった。

 正直な感想としては「尺はあったが物足りない」という印象でした。主要なエピソードは網羅できていたようにも思いますが、ひとつひとつの掘り下げがあまり深くないので、淡々とストーリーが流れるだけになっていた気がするのです。石統やメジャーとの戦い、アバダンへのタンカー派遣などどころはありましたが、一生を描き切った、という余韻に乏しかったのが残念です。

2017.05.27

驚愕のラストシーン「イニシエーション・ラブ」

 買い出しツアー往路のANAの機内で「イニシエーション・ラブ」を視聴。同名小説が映画化されたものですが、私は未読のため結末は知りませんでした。
 物語は1987年の夏、静岡で始まります。就職を控えた鈴木は、合コンで歯科衛生士のマユと知り合います。お互いに意識し、やがて恋人同士になる二人。順調な交際を続けていましたが、鈴木が東京に転勤が決まり、遠距離恋愛の状況になってしまいます。その環境に疲弊していく主人公に、事件は起こるのでした。


「二度見たくなる」との触れ込みでしたが、逆に「二度と見たいと思わない」映画かも?

 最初は微笑ましく感じられるラブストーリーでしたが、途中から雲行きが怪しくなり、最期のタネ明かしには愕然。よくできたシナリオと映像表現に感心しました。全編に流れる音楽が懐かしさを誘います。ただ、ミステリーってほどではなかったかなあ。

2017.03.24

「機動戦士ガンダム サンダーボルト」シーズン2スタート!

 「機動戦士ガンダム サンダーボルト」 のシーズン2、最初のエピソードである第5話がこの日から配信開始されました。今後1ヶ月1話のペースで全4話がリリースされる予定。
 今度もAmazonプライムビデオで視聴していく予定です。

2017.03.10

不完全?「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」

 実写版パトレイバーの長編「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」のディレクターズカット版を鑑賞しました。この作品、クーデター事件を描いた「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」の事実上の続編になっており、劇中にはそのオマージュとも言うべきシーンがふんだんに登場します。
 東京のレインボーブリッジで謎の爆発が発生、橋は寸断されました。公安部の高畑警部は特車2課の後藤田警部補に接触、自衛隊から最新鋭ステルス攻撃ヘリ「グレイゴースト」が強奪され、爆発がその攻撃によるものであることを告げます。後藤田は前任の後藤、南雲隊長の遺産を胸に、正義の戦いを決意するのでした。


「何のための攻撃なのか」がわからないだけに、必然性が釈然としない話になっています。

 映像を気合いを入れて作っているのはわかるのですが、「劇場版2」のように事を起こす必然性の部分が描かれないままなので、シンパグループの動きが「何のための行動なのか」がさっぱりわからず釈然としません。エピローグも意外な描写で終わるので、なおさらその感が強いです。

2017.02.12

見せ場が少ない「THE NEXT GENERATION パトレイバー」

 正月に日本から持ち帰ったのが「THE NEXT GENERATION パトレイバー」のDVD全7巻です。毎週末の休みの楽しみとして視聴し、全12エピソードを昨日見終わりました。
 さて「機動警察パトレイバー」は1990年代、近未来に作業用人型ロボットが一般的になるという東京を舞台に、主人公が警察組織の一員として様々な事件を解決していく物語でした。漫画版、OVA版、テレビ版そして劇場版までが作られ、今のメディアミックスの走りといえる展開でした。その正当なる続編として実写で作られたのが本作品で、2014年から2015年にかけて公開されました。


悲しいことに、98式AVがなくても成立する話がほとんどです。
(画像に触れると表示が変化します)

 感想ですが、悲しいかな作りが安っぽく見えてしまう。せっかくの「98式AV INGRAM」もほとんど動かず宝の持ち腐れ状態。エピソードのほとんどがレイバーがなくても成立する話でドタバタしているだけ。正直あまり「パトレイバー」である必要すら感じられないのが現状です。
 残るは劇場版の「首都決戦」。こちらはディレクターズカット版が本来のもののようですが、残念ながらDVDでは発売されていないのでBD版を選ぶ必要があるそうです。これは日本に一時帰国した時に見るしかないかな...。