2010.12.27

再び「のぞみ」+「南風」で帰省する

 今年の正月帰省は、夏に引き続き列車にしました。今回は時刻表でチェックし、最新のN700系の車両に乗れるように予定を組んだので、前回とはちょっと時間が変わっています。


N700系車両が充当される「のぞみ25号」を選択。
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 東海道・山陽新幹線「のぞみ25号 博多行き」東京 10:10 → 岡山 13:30

 やっぱりN700系は快適です。シートも座り心地が良くてリラックスできました。この日は関東は快晴で、富士山も西側からはシルエットが美しく見えていました。


東からは一部雲に隠れていましたが、西側からはきれいに見えました。
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 新大阪から西の山陽新幹線区間ではインターネット接続サービスがないので、パソコンをしまって岡山までの間を昼食に当てました。今回も東京駅で買った浅草今半の牛肉弁当です。肉の旨味が凝縮している感じで美味しい。個人的にはちと味付けを薄くしてくれるともっといい感じになるのですが…。


これが楽しみの一つ。パッケージがかさばらないのもGOOD。

 定刻通り岡山に到着。34分の接続ですが、お茶を買ったりしているうちに高知からの列車が到着しました。これが車内清掃後に折り返しで次の「南風13号」になります。ところでJR四国の2000系気動車は外観だけでも先頭車が2種類あって、さらに中間車の有無で編成のバリエーションが豊かです。特に先頭車は貫通扉あり/なしで顔つきが全く違うのが面白い。時間があったのでゆっくりと観察できました。


こちらが下り方向先頭車、形状が特徴的です。ブラックフェイスで引き締まって見えます。


変わってこちらが上り方向先頭車。この車両、VICOMのBDビデオに出てたな…。

 宇野・本四備讃・予讃・土讃線「特急 南風13号 宿毛行き」岡山 14:04 → 高知 16:38

 嬉しいことに、今年から始まった内装リニューアル済み車両に当たりました。木目の床に明るいブルー調のシート、以前に比べて車内は明るい雰囲気になり、モケットが交換されてシートの座り心地もまずまずです。ただし今回は後席の乗客が小さな子供だったので、シートをどんどん突き上げてくれたせいでくつろげませんでした。

 東京から6時間の乗車を終え高知に到着。車窓の景色は新しい発見もあって楽しめました。

2010.11.04

日本三大夜景?を見る

 この日は急遽熊本へ出張することになりました。とはいえこの厳しいご時世、何としても日帰りで行ってこいというハードな出張です。最寄り駅出発が5:46という強烈なしんどさ。羽田では新しいD滑走路からの離陸で、これまでとは違った景色が楽しめました。
 帰路は19:00発の便だったのですが、この日は丸一日快晴だったため、すばらしい空からの夜景を見ることができました。熊本を離陸して瀬戸内海へ入ると、松山・広島・岡山を次々と通過。さらには大阪湾を中心に神戸・大阪・京都が見えました。紀伊半島を通過すると今度は東海地区へ。名古屋もはっきりと見えました。関西空港や中部空港は空からはっきりと形が見えるので、どこを飛んでいるかすぐにわかります。やがて飛行機は高度を下げて羽田に到着。首都圏・東海・関西と、灯の多い地区を空から眺めることができました。

2010.10.16-10.17

会社のツーリング

 昨年に引き続き、今年も会社主催のツーリングがあったので参加してきました。今回の目的地は白樺湖で、私は隣のチームから誘ってもらえたので、それに乗らせてもらうことにしました。このチームは125ccのスクーターもいるので、基本的には下道で走って行くことになりますが、それもまた良し。
 土曜の朝に出発し、秩父・上野村・妙義山を経て白樺湖へ。帰りは麦草峠を越え、佐久で蕎麦を食べてから解散しました。なかなか面白い旅でした。


今回同行したメンバー、排気量125から1000まで幅広く。

 今回の走行は484.9km(うち一般道344.4km)、消費ガソリンは24.1Lで平均燃費は20.1km/Lでした。

2010.10.13

久しぶりの空中散歩

 9日から13日まで帰省していました。この日はその帰り。さすがに平日だけあって飛行機も空いていてゆっくりできました。最近出張することもなく、めっきり飛行機に乗る機会は少なくなってしまったので、久しぶりの空中散歩を楽しみました。


四国から紀伊半島までは雲に覆われていましたが...。


遠州灘の沖に出ると雲が切れてきました。あれは渥美半島?
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やがて伊豆半島の先端に。あれは弓ヶ浜ですね!
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富士山は先端がちらり。
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 飛行機は定刻よりやや早く羽田に到着しました。羽田空港は今日が第2ターミナルの増築部のオープンで、たまたまその新しい到着ロビーを使用することに。真新しい到着ロビーは広々としていて、これで混雑も緩和されそうですね。


真新しい拡張部分の新しい到着口。混雑も緩和されそうですね。

2010.09.11

ランチは350km先のラーメン屋さんで

 そういえば、長らくバイク旅に出かけていませんでした。ここ5年ほどで、夏場にこんなに出かけていないのはなかったのではないかな? もっともこの暑さで出かける気力が沸かなかったのと、仕事の資料作りに追われていたので、結果的にはすっかり出不精に...。まだ仕事の山は続いているのですが、スカッとしたくなったので久しぶりに出かけてきました。
 話は変わりますが、今年発売されたHondaのスポーツツアラー「VFR1200F」のコンセプトは「ランチは300km先の高原ホテルで」ということだそうです。正直「無理せずに四輪で行けば?」と思ってしまう(苦笑)のですが、日帰り旅には自信のある私は、それに対抗してみることにしました。ということで、今回のテーマは「ランチは350km先のラーメン屋さんで」に決定! 喜多方に向けて5:45に出発しました。


久しぶり! 行くぞ350km先の高原ホテル、じゃなかった丸見食堂。

 関越道・所沢ICから高速に入線して北上しました。長野方面に向かう上信越道と分岐する藤岡JCTまでは少々込み合ってはいましたが、まずまず順調。約1時間で最初の休憩地点である赤城高原SAに到着しました。さすがに高原と名のつくだけあり、朝7:00の空気はとても清々しい。天気も良くて、久しぶりに気分も晴れやか。 だんだん勘も戻ってきましたよ。


朝の高原の空気はとても涼しい。


あの山を越え、まずは湯沢・魚沼へ向かいます。
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 赤城高原SAを出発して魚沼市の小出ICまで一気に走破。ICを出たところで給油を行い、「道の駅 ゆのたに」でしばし休憩。小出の郊外では稲穂が実っていて、一面黄金色で一部刈り取りも始まっていました。首都圏にいると季節の変化に鈍感になりますが、確実に秋は深まり始めているようです。


給油所の向こうの田んぼも刈り取り直前。

 小出からはR252で会津若松方面に向かいました。途中バスに頭を押さえられた以外はほとんど単独走行。久しぶりに快調なペースで走れました。特に山間部に入ってからは道端にススキが出ていて、ここでも季節の変化の予兆を感じることができました。走るのが楽しくて今回はほとんど写真を撮っていません。


田子倉ダムをちょっと変わったアングルから。

 只見駅で休憩した後、R252で只見川沿いに下っていきました。もうすっかりどこにどんなコーナーがあるかは体が覚えているので、メリハリつけて走れるので気分も楽です。11:15ごろには喜多方の丸見食堂に到着。

 丸見食堂ではすっかり馴染み客と化しているので、行くたびに何かおまけをもらえるようになっています。今日は瓶コーラを1本おまけしてもらえました。同じコーラでも瓶で飲むとカラメルの香りがよくするので、さわやかな心地がします。ごちそうさま。でも、心なしかラーメンのボリュームが減って餃子が小型化したような...?

 さて、ここまででちょうど350km。ということはここから元来た道を戻ればちょうど700kmです。再びR252で只見に向けて戻っていきました。今回も1回だけバスに引っかかった以外はほぼ自分ペース。最後の難所、六十里越では久しぶりにエンジンを6,000r/min以上まで引っ張れました。やっぱり楽しいわ、これ。


田子倉湖にて。所々で舗装工事中だったのが残念。


さすが尾瀬を源流とする只見川。水量が減っていない。
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 新潟県に入り山を下りたところで只見線の列車に遭遇。これがいつも乗る13:17小出発の列車です。見たところあまり混んでいるようでもなかったので、そろそろ夏の観光乗車シーズンも終わったようです。もう少しすると紅葉のシーズンになるので、そうするとまた賑わうことでしょう。こちらもまた乗りに行かねば。
 14:30ごろには再び小出の「道の駅 ゆのたに」に戻ってきましたが、ちょっと雲が出てきました。予報では新潟方面は夕方から天気が崩れるとのことだったので、あまり長居をせずに退散することにしました。


道の駅 ゆのたにに戻ってきました。これで一般道はおしまい。

 行きがけに給油したガソリンスタンドで再び給油してから関越道に乗りました。後は行きと反対のことを繰り返すだけ。赤城高原SAで休憩して所沢ICまで走り、17:30前に自宅に帰着、ほぼ12時間の行程でした。普段は行き帰りを違う道で行くことがほとんどですが、今回はきれいに往復してきたことになります。


ちょうど700kmを超えました。距離稼ぎはしていません。

 本日の走行、701.2km(うち一般道311.2km)。使用ガソリンは32.2L、平均燃費は21.8km/Lでした。燃費計を見ていた限りではもうちょっと伸びたかと思ったのですが、結局いつもとだいたい一緒でした。新記録だと思ったのに...ちょっぴり残念。

2010.08.16

見どころは承知済み。「南風」「のぞみ」で帰る

 長かった休みもいよいよ終わりです。朝の特急列車に乗り、自宅のある埼玉を目指します。


休みもついに終わり。そろそろ帰りますか。高知駅から出発です。

 土讃・予讃・本四備讃・宇野線「特急 南風8号 岡山行き」高知 9:13 → 岡山 11:40

 嬉しいことに今回はN2000系(2000系気動車の改良型)の車両に乗れました。比較的新しい車両だったこともあり快適そのもの。高知からは指定席は半分ぐらい埋まっている状態でしたが、徳島線との接続駅である阿波池田から大勢の客が乗り込んできて満席になりました。


嬉しいことにN2000系の車両に乗ることができました。
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 山陽・東海道新幹線「 のぞみ164号 東京行き」岡山 12:03 → 東京 15:30

 岡山駅で駅弁を調達するつもりが、残念なことに物凄い行列だったので、買うのをあきらめました。それ以外はゆっくり読書の時間が取れて満足でした。


約6時間半かけて東京駅まで帰ってきました。

 首都圏は暑かった...。

2010.08.14

太平洋の眺めを楽しむ

 帰省中は特にすることもないので時間を持て余し気味です。そこでまだ乗ったことのない土佐くろしお鉄道の阿佐線(愛称:ごめん・なはり線)に乗ってみることにしました。この路線は旧国鉄時代に建設が開始されたものの、途中で建設が中断された阿佐西線を第三セクター方式で開業させたものです。高知の東にある南国市後免から南に別れ、土佐湾沿いに室戸岬方面に進むこの路線は、太平洋の眺めがずっと楽しめるということです。
 出発点の高知駅に行ってみると、終点の奈半利駅までの区間が乗り降り自由となる「土佐・龍馬伝フリーきっぷ」が購入できることが判明。これを使うことにしました。


今回の旅にはぴったりの切符です。単純往復より500円安くなります。

 向かい側のホームには「特急 南風」が停車していましたが、4両編成で先頭車両には改良型のN2000系気動車が使われていました。お盆期間中なので臨時編成なのかな?


まだちょっと時間があります。意外に多くの人が並んでいました。


向かいにはN2000系車両が1両追加された編成の南風が停まっていました。

 土讃・阿佐線「普通 しんたろう2号 奈半利行き」高知 10:19 → 奈半利 11:58

 車両はオープンデッキ付きの展望列車でしたが、車内は込み合っていてずっと立ちんぼでした。ただし先に進むごとに次々と人が降りて行き、後方からの展望をたっぷりと楽しめました。確かに太平洋の眺めはすばらしかった。特に赤岡から安芸までは先は高架の上を走っていることが多いので、砂浜に波が打ち寄せるところまではっきりと見えます。一度は景色目当てに乗ってみる価値がありますよ。


海沿いに走る。赤岡から東側の景色はすばらしい。


奈半利川を渡ると間もなく終点、奈半利駅です。


これが乗ってきた車両、オープンデッキ付き。

 奈半利駅では駅のすぐそばにあるトンカツ屋さん、「豚福亭」で昼食。評判のお店とのことでしたが、厚みのある肉がサクサクに揚がっていておいしかった。


評判のとんかつ屋さんだそうです。さくさくで美味しかった。

 阿佐・土讃線「快速 高知行き」奈半利 13:05 → 高知 14:23

 食事後、すぐに折り返しました。今回は普通列車(社名にちなんで"9640形"だそうです)ですが、幸いクロスシートに座れたのでのんびり帰ってこれました。ただ、通路側の座席だったので眺望は今ひとつでしたね。この日はちょっと霞んでいたので遠くの方は見えませんでした。冬の空気の澄んだ時期に乗ってみるといいかもしれません。


高知駅に戻ってきました。なぜか1番ホームに到着。

2010.08.07

「のぞみ」+「南風」で帰省してみる

 今年の夏の帰省は列車を使うことにしました。JR東日本の「えきねっと」では1ヶ月と1週間前から予約ができるので、時期を見計らって入力。ちなみに飛行機の場合だと片道×2(これは往復運賃の期限が7日間であるため)の運賃で約¥68,000。これに対してJRの場合、東京~高知なら往復乗車券の有効期限が12日間となるので、今回の帰省では往復割引が利用可能。その上、新幹線乗り継ぎで在来線特急券も割引になるため、指定席にしても約¥36,000まで交通費を下げられます。その分、移動にかかる時間は倍ですけど。
 8:30前に自宅を出発し、私鉄と地下鉄を乗り継いで9:30ごろ東京駅に到着。ここでお土産(亀井堂の人形焼)と昼食の駅弁を買い込んでから、新幹線のホームに向かいました。


ここから出発、高知までの行程は乗り継ぎ含め約6時間半です。

 東海道・山陽新幹線「のぞみ161号 博多行き」東京 10:13 → 岡山 13:40

 さすがにお盆が近い週末とあって、指定席も概ね満席でした。車両は一世代前の700系で、無線LANの使える最新のN700系車両ではなかったのがちょっと残念でした。


乗る列車が入線してきました。700系だったのがちょっぴり残念。
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 時間はたっぷりとあるので、久しぶりに落ち着いた読書タイムを満喫できました。所々で窓の外に目をやると、富士山が雲から頭だけ出している状態。まるで雲のマントをまとっているようでした。


富士山は山頂だけがちらりと見えました。

 隣席の人が新大阪で降りることがわかっていたので、新大阪停車中に棚から駅弁を降ろして昼食の準備。残念ながら新大阪から別の人が乗ってきたので悠々食事というわけにはいきませんでしたが、隣の人も駅弁を広げていたので気兼ねなく食べられました。この日の昼食は浅草今半の「牛肉弁当」¥1,050。肉は脂身がなく上品な味で病みつきになりそう。さすがに東京駅の駅弁ランキングで2位になっただけのことはある。


浅草今半の牛肉弁当、これが美味しかった。
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 駅弁を食べ終え、お茶で一息入れたタイミングでちょうど岡山に到着しました。ここで高知方面に向かう在来線特急「南風」に乗り換えます。接続は余裕を見て24分を確保したので急がなくてもOK。四国方面への列車が発着する8番ホームに降りると、既に車両は入線して清掃中でした。ここから高知に向けて南下していきます。


岡山駅に到着、ここで在来線特急に乗り継ぎます。
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 宇野・本四備讃・予讃・土讃線「特急 南風13号 宿毛行き」岡山 14:04 → 高知 16:38

 こちらも指定席は満席で、デッキにも人がいるほどでした。
さて、まず最初の見どころはもちろん瀬戸大橋から見る瀬戸内海の島々です。橋上区間は約10kmほどあるので、ゆっくりと景色を楽しめるのがいい。しかし列車はトラス構造の中を走るので、写真は非常に撮りにくいのが難点です。


瀬戸大橋から瀬戸内海の島々を見る。


列車はゆっくりですが、シャッターチャンスは少ない。


島部分の高架橋では見通しがいいです。


坂出の臨海工業地域に近づくと四国上陸です。

 宇多津からは予讃線、多度津からは土讃線に入ります。金刀比羅様で有名な琴平を過ぎると、線路は山岳区間にかかりカーブが多くなります。南風は元祖振り子気動車であるJR四国2000系で運行されており、きついカーブでもかなりの速度を維持したまま駆け抜けていきました。そのスピードは国道32号線の車と並走する吉野川沿い区間で特に実感できます。深い谷間を抜ける大歩危・小歩危峡では吉野川の荒々しくも美しい川面を見ることができました。


国道32号線と並走しながら深い渓谷に入っていきます。


吉野川。山は険しく、水は美しい。


途中、1回だけ川を渡ります。水が本当にきれいです。

 大豊町で吉野川と別れてさらに南下すると、線路は山を下り始めます。下ったところが香長平野で、土佐山田・後免に停車。後免駅では噂のタイガース列車にも遭遇。
 列車は定刻に高知駅に到着しました。高知駅は2008年に高架化され、ドームに覆われた特徴的なランドマークになりました。なかなか凝った造りです。


後免駅ではタイガース列車に遭遇!


夕方に目的地に到着しました。
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 正直退屈するかと思いましたが、2000系の走りと景色に見とれてあっという間に到着した気分です。たまにはこんな帰省の仕方も「あり」かも。

2010.07.17

富士スバルラインと箱根越え

 ようやく週末に安定した晴れの日がやってきました。1ヶ月以上もの間ツーリングで遠出をしていなかったので、腕もいささかなまり気味? ともかくせっかくの休日なので、前々日に急遽出かける計画を練りました。今回は日本百名道の一つで、東北・関東で唯一行っていない「富士スバルライン」と、箱根駅伝のコースとなる国道1号線の旧道に行ってみることにしました。
 世の中は3連休なので渋滞は必至。出発を1時間前倒しして5:00にスタートしました。


4:00ではまだ真っ暗ですが、4:30から急速に明けました。

 関越道所沢ICから高速に入線し、鶴ヶ島JCTからは圏央道で八王子方面へ。中央道に合流してからは西に進み、大月JCTから富士吉田線に入り、河口湖ICまで一気に走破しました。
 河口湖ICのすぐそばに富士スバルラインの入口があります。ここからは林の中を富士山に向けて徐々に上がっていきました。しばらく走ると料金所があり、往復料金1,600円をここで支払います。片道料金の設定もありますが、どうやって降りてくるというのだろう?
 まずは二合目、1,600m付近から。雲とほぼ同じ高さまで登ってきました。


二合目から富士山を見る。山の稜線がクッキリ。


盆地には雲がかかってきました。
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 車の集団に引っかからないように、数台の車をやり過ごしてから走行しました。道はきれいに整備されている上、タイトターンは比較的少ないので大型車でもそこそこのペースで走れそうです。ただ、木々が結構生い茂っていたので四合目ぐらいまではあまり眺望がよくありませんでした。
 四合目、標高約2,000mぐらいまで来ると北側の景色が開けました。ここまで来ると雲上の世界です。


標高約2,000mまで来ると、雲上の世界になります。
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 四合目から約6kmで、終点の五合目(標高約2,300m)に到着、そこからの景色はすばらしいものでした。南アルプスから八ヶ岳まで、高い山の山頂部が雲からちょっとだけ顔を出している状態。残念ながら富士五湖などの麓の景色は見られませんでしたが、それでも普段見ることの出来ない風景にしばし見とれました。
 気温は18℃、暑すぎず寒すぎず快適。ただし雲の動きは速く、山頂部はすぐに雲に隠れ、眼前には巨大な雲が迫ってくるなど迫力満点でした。


右側にちょこっと見えているのが八ヶ岳です。
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南アルプスの山々、険しい山頂部がはっきり見えます。
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こちらは山頂、あっという間に雲に覆われました。
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眼前に巨大な雲が現れました!

 特に何もすることがないので、そのまま折り返しました。富士スバルラインの全長は片道で約30kmありますが、いいペースで走れるのであっという間に感じます。下りストレート部ではクラッチを切って燃費走行。
 河口湖からはR139で西へ。さらにR300に乗り換え、本栖湖で休憩しました。この湖の色は通常の湖とは違って深いブルーでした。何か理由があるのかな?


本栖湖に到着。キャンプ客がたくさんいました。


湖面の色が特徴的です。この湖は紙幣に描かれた逆さ富士のモデルとして有名。
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 R300は本栖湖から身延を結ぶ道ですが、本栖湖からは急勾配のワインディング路で一気に下っていきます。交通量も比較的少ないようなのでオススメの道。久しぶりにバンク角を深く取って旋回を楽しみました。ちょっとだけ曲がる感覚と実際の走行ラインがずれていたけど、まだ許容範囲。


本栖みち。ワインディングで一気に駆け降ります。

 R52に合流し、ここからは静岡市清水区に向け南に進みました。途中で給油をしましたが、280kmまで引っ張って警告灯が点灯しなかったのでまずまず燃費も伸びていそう。南に下るほど交通量が増え、平均速度は大幅に低下。意外にも海まで距離はあって、駿河湾に出てきた時にはすでに10:30になっていました。
 このままR1で東に向かうのも考えましたが、昼食は小田原で食べると決めていたので、東名高速で沼津までショートカットすることにしました。ところが東名高速は清水から富士にかけての連続トンネル区間で渋滞。海沿いの一般道を走った方が速かったかも?
 沼津からはR1で箱根越え。西側斜面では登坂車線がある上、比較的半径の小さいコーナーが連続するので楽しく走れました。箱根峠を過ぎると元箱根に向けて下っていくのですが、その途中からは芦ノ湖の深いブルーの湖面を望むことができました。


芦ノ湖。緑の中に青い湖面が現れました。
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 元箱根からはR1の旧道で小田原に向けて下っていきました。箱根駅伝でテレビで写る風景が連続します。驚いたのはその勾配。映像からはなかなかわかりませんが、かなりの急傾斜です。よくこんな道を20kmも走れるものだ...。
 もくろみからかなり遅くなって、13:00に小田原に到着。事前に調べていたお店に行ってみました。小田原駅からちょっと離れたところにある鮨屋の「はげ八」さんです。ここのお勧めは「おまかせ丼」。小田原といえば新鮮な海産物ですが、それらを豪華に盛った丼です。幸いにも本日最後の一食にありつけました。確かにどの魚も身がプリプリで美味しかった。ところで、お鮨屋さんのお茶ってなんであんなに美味しいんでしょうか。


ちょっとわかりにくいところにありました。


ネタはさすがに新鮮。久しぶりの新鮮な魚、美味しく頂きました。
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 小田原からはR255で北上、大井松田ICから東名高速に乗り、帰途につきました。東名は快調に流れていましたが、首都高に入ると渋滞につかまりました。さらに大橋JCTから中央環状線に入りましたが、山手トンネル出口に故障車がいたおかげでトンネル内で渋滞。水温が116℃まで上がるなど、CBR1000RRはオーバーヒート寸前。おまけに人間の方も暑さでクラクラしてきました。脱水症状に陥るのを回避するため、緊急避難的にスリ抜けで強引に前に出て、なんとか危機を脱しました。
 首都高の渋滞でエライ目に遭いましたが、17:00ごろに自宅に帰りつきました。


かなり消耗しました...。

 この日の走行は498.2km(うち一般道+首都高279.4km)、消費ガソリンは26.7Lで平均燃費は18.6km/Lとツーリングの記録としては過去最悪レベル。やっぱり渋滞2回がかなり効いてしまいました...。


時間の割に距離が少ないのは、渋滞の影響です。

2010.07.10

小海線乗車と懐古園巡り&善光寺参り

 長らく天気がぐずつきましたが、ついに「梅雨の中休み」が週末に登場。気分が自由で朝から晴れているという状況は、なんだか久しぶりな気がします。
 さて、こうなるとどこかに出かけたくなります。といっても山沿いではにわか雨の恐れが多いのと、激しい夕立が心配なためにバイク出動は見送り。その代わり、かねてから気になっていたJR小海線に乗りに行くことにしました。山梨県の小淵沢駅から長野県の小諸駅を結ぶこの路線は、JRで最も標高が高い場所を通るローカル線です。
 今日は自宅からJR路線で最も近い武蔵野線の北朝霞駅から、西に向かって出発です。


久しぶりに晴れました! でも相当蒸し暑い。


北朝霞駅から出発、西国分寺で中央線に乗り換え、立川駅まで出ます。

 出発直前に八王子駅付近で人身事故があってダイヤが乱れているということで心配しましたが、幸い乗車する特急列車への影響はありませんでした。立川駅からは中央線の特急「スーパーあずさ」に乗り、小海線の乗換駅である小淵沢を目指します。約1時間半の行程です。


立川駅にて。「スーパーあずさ」が入線してきました。
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 中央線「特急 スーパーあずさ5号 松本行き」立川 8:22 → 小淵沢 9:53

 朝の特急列車はまずまず込んでいました。今回はそれも見越して「えきねっと」で指定席を取っていたので、まずは正解。中央線は山梨までの区間はかなりカーブも多いのですが、この日乗車したのは制御付き自然振り子を採用したE351系。乗り心地はとても快適でした。


多摩川を渡ります。青空が気持ちいい。

 お茶を飲みながら読書にふけっているうちに小淵沢駅に到着しました。ここでの乗り換え時間は4分。始発駅ということで内心期待していたのですが、残念ながらシートは先客ですべて埋まっていました。運転席直後のつり革につかまって、小海線の旅がスタートしました。

 小海線「普通 小諸行き」小淵沢 9:57 → 小諸 12:04

 車両はJR発足後に登場したキハ110系気動車でした。小海線には営業車としては世界初のディーゼル+電動のハイブリッド気動車、E200系が投入されているのですが、残念ながら今回は出会えず。
 小淵沢駅を出発した二両編成の列車は、林の中を急勾配で野辺山高原に向けて登っていきました。前回乗った只見線のキハ40系に比べるとさすがに世代が新しいせいか、気動車の割には落ち着いた走りでした。キハ40系はエンジンがうなるばかりでなかなか前に進まないのに対し、こいつは動き始めこそエンジンが「頑張っている」感じはするのですが、一度動き始めるとスルスルと加速していきます。


いよいよ小海線へ。長野県小諸市に向かいます。

 この路線の最大の売りは野辺山高原から八ヶ岳の美しい姿が見えるところでしょう。野辺山駅まででトレッキングに向かうお客さんが大勢降りたので、ようやく座席を確保できたことから撮影を開始。幸いなことにこの日は山の稜線がきれいに浮かび上がっていました。
 野辺山高原を過ぎると、列車は千曲川に沿って佐久盆地に向けて下っていくため、見える景色が変わってきます。ちょっとした渓谷の趣ですが、雨が多かったせいか水が濁ってあまり清涼感がありませんでした。


野辺山高原から見た八ヶ岳。雄大です。


川は濁って清涼感なし...。
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 佐久盆地まで降りてくると、今度は前方遠くに浅間山が見えてきます。やはりこの山は際立って目立ちますね。佐久平駅では長野新幹線と交差。ここは在来線が新幹線をまたぐという珍しい構造でした。それにしても佐久平駅付近はこの十年で大きく発展しました。私がツーリングを始めた頃はまだ閑散としていたんですけどね...。新幹線が通った街とそうでない街。現在の佐久と小諸は対照的な存在です。


前方に浅間山の姿が!
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佐久平駅で長野新幹線と交差します。

 小淵沢から約2時間で終点・小諸駅に到着。ちょうどお昼なので、ここで昼食にすることにしていました。予め調べていたお店に向かったのですが、行ってみると残念ながら行列が出来ていて、しばらく時間がかかりそう。そこで第2候補のお店に向かうことにしました。途中では小諸本陣という史蹟にも出会いましたが、内部の公開は行っていないよう。それでも雰囲気は堂々たるものでした。


終点、小諸に到着しました。キハ110はどこも同じようなカラーリングです。
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小諸本陣、実は以前バイクで前を通ったことがありました。

 今回昼食を取ったのは懐古園の入口近くにある「草笛本店」。座席数が比較的多かったため、こちらはすぐに着席できました。朝がちょっと早かったこともあり、ボリュームのありそうな「野菜天ざるそば」1,300円を注文。
 出てきたものを見ると、なかなか凄い量。天ぷらはかりっと揚がっていてさくさくで美味。特にかきあげは大きくて食べごたえあり。さて、そばの方はといえば風味、味ともあまり特徴がないような...(美味しくないという意味ではないです。念のため)気がします。ともかく、お腹いっぱいになりました。


懐古園の入口前にあるので、すぐにわかります。


なかなかのボリューム。かきあげが凄い!

 いささか食べ過ぎた気がしたので、ちょっと歩いてみることにしました。ちょうど隣にあるのは小諸城趾である懐古園。散歩にはちょうどいいと重い、入場料500円を払って中に入りました。
 中に入ってすぐに弓道場がありました。う〜ん、なんとも懐かしい。最後に引いてもう17年か...。


弓道場、久しぶりに射場や的場を見ました。的も懐かしい。
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 さて、懐古園はもともと小諸城の址。現在の状態は、武田氏がこの一帯を支配するために整備した結果だと言われているそうです。規模はそれほど大きくなく、ゆっくり歩いても30分ぐらいで一周できてしまいます。面白いのは南側が千曲川に面した断崖になっていること。天然の要害とも言えますが、木がなかったらもの凄い絶景だろうなあ。


三の門、いわば現在の正面玄関ですね。


場内は落ち着いた雰囲気です。意外に険しい。


樹齢推定五百年の欅の木。この地の主といえる存在でしょうか。


本丸の石垣、ここまで来ると城らしい気配。
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一番南からは千曲川が見えるほか、ダムの水飛沫の音が聞こえていました。
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 30分ほど散策してから小諸駅に戻ってきました。ここから次の目的地、長野へ向かいます。

 しなの鉄道・信越本線「普通 長野行き」小諸 13:52 → 長野 15:01

 小諸駅からは「しなの鉄道」で長野へ向かいます。この路線は言わずと知れた旧信越本線。新幹線開通に伴いJRから経営分離され、軽井沢〜篠ノ井間は第3セクターの会社が経営を引き継いでいます。でも、この色使いはいささかセンスがないような...? 
 出発すると、すぐに左側には深い千曲川の景色が見られます。バイクでいつも寄る「あぐりの湯 こもろ」もはっきり見えていました。


小諸からは「しなの鉄道」で長野へ向かいます。


千曲川沿いに上田方面を望む。対岸にはいつもの温泉が見えました。
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 坂城を過ぎると地形が開けてきて、川幅が広がってきた千曲川を渡ります。ここまで来ると中流域という雰囲気になってきます。ちなみに、向こうに見えるのは長野新幹線の橋梁。長野新幹線はあちこちにある橋梁の美しさも魅力といえるでしょう。
 1時間弱でJR篠ノ井線との接続ポイントである篠ノ井駅に到着しました。ここからは再びJRの路線になり、約15分で長野駅に到着しました。


川幅が広がってきた千曲川を渡ります。向こうの橋は長野新幹線。


北アルプスから流れてきた犀川。こちらは濁りが多い。


第2目的地に到着。次は善光寺に向かいます。

 長野市で行ってみたいと思っていたのは善光寺。バイクだとなかなか寄りづらいので、こういう機会にはぜひ訪れておきたい。調べてみると長野駅の地下から出る私鉄の長野電鉄で数駅行けば、善光寺の近くまで行けそうです。

 長野電鉄長野線「普通 須坂行き」長野 15:21 → 善光寺下 15:28

 切符を自動券売機で購入したところ、裏面に磁気のない紙の切符が出てきました。最近はすっかりモバイルSuicaに慣れ、長距離列車やその乗り継ぎ以外では切符を手にする機会が少なくなったせいで、ずいぶんと懐かしさを感じてしまいました。


地下から出発する長野電鉄と、久しぶりに手にした磁気なし切符。
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 善光寺下駅からは約800mほど坂を登らなくてはなりません。坂は思った以上の傾斜で、少し進んだだけで汗が吹き出てくる始末。狭い道をなんとか登りきると、ちょうど仁王門のところに出てきました。ここから本堂に向けて参道をゆっくり歩いていくことにしました。


まずは仁王門。これだけでも迫力あります。


参道を歩いていると正面に山門が見えてきました。


実物はテレビで見るよりずっと大きかった。
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 山門をくぐると本堂です。なかなか威圧感のある建物ですね。せっかくなのでお参りを...と思ったのですが、「お願いすべきこと」がないのに気づいてちょっと愕然。一体何しに来たんだっけ???
 で、結局ごくごく当たり前のお願いだけはしておきましたが、今思うとなんだかもったいなかったような...?


本堂。遠路せっかく来たのですからお参りはしましたが...。

 帰りは下り坂になるので、そのまま歩いて長野駅までぶらぶら戻ってきました。意外に距離はあって、約1.3kmほどあったでしょうか。でもアスファルトの上を長時間歩くと、やっぱり足が痛くなります。
 長野駅には老舗の鰻屋があるというのを調べていたので、そちらに行ってみました。土用の丑の日も近いことだし、久しぶりに鰻を食べたかったのです。ところが見せの前には「本日の営業は終わりました」の文字が...! だってまだ17:00ですよ。あまりのショックにしばし呆然。歩きでちょっと疲れていたおかげで、代わりの店を探す元気もありません。そこで、そのまま帰ることにしました。


心残りはありますが、いてもすることないので、帰りましょう。


あさま542号、東京行き。やっぱり新幹線は乗り心地いいなぁ。
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 長野新幹線「あさま542号 東京行き」長野 17:30 → 大宮 18:50

 やっぱり新幹線は快適です。お茶を飲みながらうとうとしていたら、あっという間に大宮に到着。この日は接続が上手くいったので、武蔵野線ではなく川越線経由で自宅まで戻りました。


いつもの場所に帰ってきました。

 今回の旅は前半はよかったのですが、後半はちょっと運気ダウン。念入りに下調べした割には、満足感が低い...。
 ま、こういうこともありますかね。

2010.06.26

只見川の川霧と、会津若松のソースカツ丼

 最近はやや疲れ気味なこともあって、出かけるのがすっかり億劫に。しかしながら家にいたところですることもないし、逆に身体を動かさないことで逆に疲れてしまうことすらあります。そこで気分転換するために遠出をすることにしました。天気がよくないのでバイクは回避し、またもや只見線の車窓と、今回は会津若松のソースカツ丼を目当てにして出かけることを決定。過去に二度、只見線の全線乗車はしていますが時期はいずれも冬季。今回は初夏の風景を見てみようと思ったわけです。新しいIXYでの撮影も試してみたいし。
 10時半前に自宅を出発し、電車を乗り継いで長距離列車の起点になる大宮駅へ。そこで前回と同じく一筆書きの切符を購入しました。


再び一筆書き切符。リクエストにも慣れました。またもや経路が手書き。

 上越新幹線「とき319号 新潟行き」大宮 11:38 → 浦佐 12:43

 自由席特急券で乗車したのですが、意外なことにかなり混んでいて着席できませんでした。車中でちょうどお昼時を迎えることもあって駅弁を買ったのに、これでは食べられません。どうしようもないのでデッキで立ちん坊をすることにしましたが、いきなり疲れがたまりそう。お腹も空くし...。


まずは新潟方面へ。200系新幹線で浦佐を目指します。
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 出発から約1時間で、乗換駅である浦佐に到着しました。車窓からは越後三山の山並みが見えてきました。驚いたのはまだ北斜面に雪庇がわずかながら残っていたこと。地形の険しさと標高の高さがわかります。バイクで行くことはできませんが、奥只見ダムも訪れてみたいところです。


この向こうにあるのが秘境・奥只見。

 上越線「普通 長岡行き」浦佐 12:53 → 小出 13:01

 浦佐駅からは上越線の普通電車に乗り換え、只見線の乗換駅である小出駅へ。小出まではたった2駅なので、すぐに到着します。軽やかに走る電車の窓の外には、米どころである魚沼の水田が一面に広がっていました。なんだか美味しいお米が食べたくなりました(笑)。


新幹線からの乗換駅である浦佐駅に到着。
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 小出では既に只見線のキハ40系2両編成がホームに待機していました。今回は景色のバリエーションを広げようと、前回とは逆に進行方向左側のボックスシートに席を確保。出発までは多少時間があったので、ここで大宮で買ってきた駅弁で昼食です。ローカロリーを基準に選んだ「炙り煮穴子重」はなかなか美味しかった。
 さて、会津若松までは約4時間の行程ですが、この車両は冷房がないのでどの席も窓は全開でした。頭上では扇風機が全力で旋回で、ちょっと騒々しい。冬とはまた違った雰囲気が味わいそうです。3度目ながらも楽しみ。


これが今日乗っていく車両、外を見るとのどかなホーム風景。
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出発前の車内の様子。非冷房車なので窓&扇風機、全開!

 只見線「普通 会津若松行き」小出 13:17 → 西若松 17:10

 いよいよ出発、列車はディーゼル車特有の身震いをしながら加速し、小出駅を後にしました。列車のスピードはゆっくりなので、窓からは心地よい風が吹き込んできました。これなら冷房がなくても快適に過ごせそう(停まるとツラいのはバイクと同じか...)です。
 新潟県側の区間は県境の六十里越に向けて徐々に川を遡っていくというロケーションになります。川沿いに広がる緑色がとてもきれいでした。


小出を出て、すぐに魚野川を渡ります。


破間川を渡ります。このあたりはまだ谷間が広いです。


入広瀬手前で国道252号線と並走、ここから国道は山岳区間へ。


かなり谷間が狭まってきました。緑色がとてもきれいです。

 入広瀬を過ぎると、本格的な山岳区間へ入ります。ここでは国道252号線と何度も交差しながら列車は進んでいきました。いつも走っている道を外から見るというのもなかなか新鮮な体験。渓谷の向かい側に緑の中に朱色に塗られたスノーシェッドが現れ、とても印象的な風景になっていました。


渓谷の中に鮮やかな朱色のスノーシェッドが現れました。
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 新潟県側で最後となる大白川駅を過ぎると、列車は長いトンネルに入ります。並走する国道はワインディング・ロードとなって山を越えていくのですが、列車はそこまで標高を上げずに長大トンネルで一気に抜けていきます。10分ほどトンネルの中を走りましたが、窓からのひんやりとした冷気が頬を打ちました。
 トンネルを抜けると田子倉湖のほとりにある秘境駅、田子倉駅に到着しました。前2回は冬季閉鎖中だったので停車しなかったのですが、今回は初めて停車したので写真を撮っておきました。暗所に強い新型デジカメ(DSC-HX5Vの方です)といえど、やはり薄暗いところで動きながらの撮影はちょっとツラいかな...。


秘境駅・田子倉に初停車! 写真がブレブレですみません。
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 田子倉駅から坂を下っていくと只見駅に到着します。ここ以降はゆったりと流れる只見川に沿って、会津盆地に向けて下っていきます。また並走する国道252号線と何度も交差していくので、見慣れた景色を楽しむこともできました。写真にあるように、緑が本当に鮮やかです。


国道252号線の中速テクニカルコーナー。

 只見川はあちこちにダムがあるので、川幅が広くなったり狭くなったりを繰り返します。そんな中、橋梁から川面に白い霧のようなものが出ているのに気づきました。これが有名な只見川の川霧です。以前にツーリングで一度見たこともあるのですが、こんなに正面から見られたというのはラッキーでした。


只見川第七橋梁より。川霧が現れました。

 川霧を楽しみながらさらに進み、トンネルを抜けると真っ正面にダムの堰堤が現れました。これが2週間前にも写真を撮った本名ダムです。いつもは正面から見ることはないので、じっくりと設備を観察しました。いつもの風景を違う角度から見るというのは、意外に多くの発見があります。


左手の突き当たりが2週間前に写真を撮ったところです。

 ダムのすぐ下流にある本名の集落を過ぎると、川幅が広がってきます。ここでも川霧がうっすらと出ていました。ぜひ並走する国道を入れて写真を撮りたかったところなのですが、木や茂みに遮られていいシャッターチャンスがなかなか来ないのがもどかしかった(笑)。
 夢中になって写真を撮っているうちに、中間点の会津川口駅に到着しました。


只見川第五橋梁より。ここでも川霧が見られました。


間もなく中間点の会津川口駅に到着です。

 会津川口駅では車両の行き違いのため10分ほど停車するということだったので、ホームに降りてみました。長い乗車で足の血行が悪くなっているので、少し身体を伸ばしておきたいところです。身体をほぐしていると前方から下り列車がやってきました。この時間帯、会津若松と小出からはほぼ同時に列車が出発し、会津川口で行き違いをする設定になっているのです。


下り列車が到着しました。緑の中にクリーム色+緑2色の塗装が映えます。
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 会津川口を出発すると、駅の近くでもうっすらと川霧が出ていて、幻想的な雰囲気が味わえました。列車の速度が遅いという特徴を逆手にとれば、じっくりと景色を楽しめるということがこの路線のいいところでもあります。窓から見える川霧はふわふわとしていて、とても柔らかそう。川幅もさらに広くなってきました。3枚目の写真のあたりでは国道は山の高いところを通っているので、ここの景色は車からは見られません。


会津川口駅付近の川霧、ふわふわと柔らかそう。
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ゆったり流れる只見川。いつ見ても水量豊かで癒されます。


只見川第三橋梁より、なんだか渦が見えているような...?
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 山の間隔が少しずつ広がってくると、間もなく会津盆地に到着します。最後に渡る只見川第一橋梁は写真でよく紹介される絶景ポイント。水面からの高さもかなりあるので、迫力ある眺めが広がります。


只見川第一橋梁より。ここは美しいアーチ橋で、かなり水面から高い。

 出発から約3時間、時刻が16時半をまわると、列車は会津盆地に入ってきます。只見線はここから盆地の南側を大きく回り込んで終着駅の会津若松へアプローチしていきます。遠方には会津磐梯山が見えてきました。阿賀川を渡ると会津若松の市街地に入ります。


会津盆地に到着、遠くには磐梯山の姿がうっすら見えています。
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阿賀川を渡ると、間もなく西若松に到着です。

 今回はソースカツ丼を食べにいくため、鶴ヶ城(会津若松城)に一番近い西若松駅で途中下車しました。事前に下調べをして、鶴ヶ城付近にお店があるのが分かっていたためです。さて、次の列車は約1時間半後。それに遅れると今日中に家に帰れなくなります。鶴ヶ城まではちょっと距離があるので、果たして時間内に往復できるのかちょっと心配です...急がねば。


西若松駅で途中下車、乗ってきた列車を見送りました。
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 西若松駅から徒歩で鶴ヶ城の西側を回り、北側の東西の道をお店へと急ぎます。途中には歴史を感じさせるデザインの建物もあって、観光気分を盛り上げてくれますが、歩き詰めで空腹感がどんどん強くなってきました。早くソースカツ丼食べたいよ...。


歴史を感じさせる建物が現れると嬉しくなります。

 さて、残念ながら目的の店はお休み。土曜の夕方ということで休みのところが多いんですね...。第2、第3候補も休みで途方に暮れましたが、途中の西若松駅近くで開いているお店があったのでそちらに向かうことにしました。
 今回訪れたのは「美由希食堂」。カツギョーザが有名だそうですが、今回の目的はあくまでソースカツ丼なので、初心を貫徹(?)してそちらを頼みました。注文してから揚げてくれたので、時間はかかったものの出てきたカツはほくほく。甘いソースとの組み合わせはなかなかのものでした。ちょっと残念なのが敷かれたキャベツが「しなっ」としていたこと。もう少しシャキシャキを演出して欲しかったところです。


西若松駅近くにある定食屋さんに入りました。


ボリュームはそこそこ。味は私にはちょっと濃すぎかな。
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 只見線「普通 会津若松行き」西若松 18:54 → 会津若松 19:01

 食べ終わってから駅まで急いで戻り、なんとか列車には間に合いました...結構余裕なかったけど。食事をしていた間以外は歩き詰めだったので、足の筋肉が結構張ってしまいました。
 たった2駅の道のりですが、再びやってきた列車に乗り込み、終着駅の会津若松へと向かいました。


途中下車から復帰。間もなく上り列車がやってきます。
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 磐越西線「快速 郡山行き」会津若松 19:05 → 郡山 20:12

 会津若松駅では乗り換え時間4分。快速電車の郡山行きに乗り込むと、反対側のホームには乗ってきた只見線の車両が見えました。さすがに音・振動の大きい気動車に4時間乗ると、正直なところ疲れます。
 磐越西線の上り快速電車の座席は幸い空いていて、難なく座ることができました。ただ、間もなく日暮れなので展望は期待できません。ここはじっくり読書の時間としましょうか。


会津若松駅にて。乗ってきた只見線の車両です。
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 快速電車の乗り心地は快適そのものでした。エンジンの振動がないので、乗っている間の疲れ方が全然違います。いくつかの駅を通過し、約1時間で新幹線の乗換駅である郡山駅に到着しました。この快速電車、乗降扉の近くには会津のマスコットである「あかべぇ」が描かれていて、旅気分をちょっとだけ演出してくれました。


郡山駅に到着。ここから東北新幹線に乗ります。


快速電車には会津のマスコット「あかべぇ」が描かれていました。

 東北新幹線「やまびこ66号 東京行き」郡山 20:37 → 大宮 21:31

 あとは帰るだけです。25分の接続で「やまびこ」号に乗車しました。予想外に乗車している人は多かったものの、座席は確保できたので、お茶を飲みつつゆっくり読書しながら大宮駅まで戻ってきました。車両は東北新幹線では初めてE2系に乗りましたが、やっぱり乗り心地がいいですね。


おっと、E2系だ。東北新幹線では初めてだな。


大宮駅に到着、一筆書きの旅は終了。

 大宮から川越経由で最寄りの私鉄駅まで戻りました。時間は出発からぴったり12時間。読書も充実しましたが、途中かなり歩いたこともあって随分とくたびれました...。

2010.06.12

グリーンツーリング... 再びの会津路

 6月の半ばになりましたが、まだ梅雨入りしていません。とはいえ天気予報を見ると次週からはその兆候が見られそうで、土日はかろうじて晴れるとのこと。この2週間、仕事が忙しくモヤモヤ感もたまっていたので、スカッと爽快な気分になりたくて急遽出撃を決意。距離も稼ぎたかったので日帰り北限の米沢まで足を伸ばし、帰りはいつものワインディングコースを一通り走ることに。タイヤの特性も試すつもりで、5:00に出発しました。


一年で一番日が長い時期ですから、それを活かします。5:00出発。

 外環道和光北ICから高速に入線し、川口JCTから東北道で北上。この日の早朝は高速も比較的空いており、あまり時間をロスすることもなく埼玉県を脱出。今日は長丁場なので1時間に1回休憩の原則を守るべく、大谷PAで休憩しました。ちなみに今日からメッシュの夏用ジャケットに変えたのですが、このあたりまでは風が直接当たる二の腕がちょっと肌寒かったです。


大谷PA。ここから東北道は山岳区間に入ります。

 本来だと郡山の手前にある安積PAで給油ストップするのですが、今回は給油インターバルを考えて安達太良SAまで引っ張ることを決心。ところが安達太良SAでは二輪駐輪場の前に車を並べられ、停められない状態になっていました。混雑していたので止むなくでしょうが、施設利用を完全に妨害しているわけで、もうちょっとモラルを持ってもらいたいものです。一方でCBRのインパネに表示される燃料消費量を見るとまだ大丈夫そうだったので、福島の吾妻PAで給油するように予定を変更。幸い警告灯が点く前にPAに到着することができました。ここまで280km、燃費もまずまず伸びていそう。


吾妻PAにて。この先で高速を降りて米沢に向かいます。

 福島飯坂ICで東北道を降りて、R13で米沢方面に向かいます。R13は幹線国道であるため、峠道区間も登坂車線が整備されて非常に走りやすい。一方で速度超過しやすいところでもあるわけで、そっちの方向では要注意なところといえます。そこで自分にペースが近い車を見定め、それを前に据えて走行することでリスクを回避。この道は久しぶりだったのですが、沿道には大きな変化がありました。東北中央自動車道の建設が進んでいて、高架橋やトンネルの姿が現れており、景色がダイナミックに変化しています。
 走行は概ね順調でしたが、粟生峠の下りでは遅い車に引っかかってしまったので、クラッチを切って惰性走行することにより燃費向上を図りました。ちょっとセコいですけど。


上杉神社前、ここから福島に向けて戻っていきます。

 米沢からはr2で福島に向けて南下していきます。西吾妻スカイバレーには何度も来ていますが、山形側から登っていくのは今回が初めて。きつい登りとタイトコーナーが続くので、走るのが非常に楽しかった。ただ、ちょっとタイトすぎるのでペースよく走るのは結構難しいのですけどね。路面はあまり良くはない上、山菜取りで車が思わぬところに停まっていたりするのがちょっと怖かった。ブラインドコーナーの先でそういうことをするのは止めていただきたい。
 楽しんでいるうちに山形・福島県境の白布峠に到着。1ヶ月前にも来たところです。


山形・福島県境に到着。ここからは裏磐梯です。
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 西吾妻スカイバレーを桧原湖に向けて下っていきます。1ヶ月前に来た時には景色にまだ茶色が混ざっていたのですが、今回はどちらを向いても鮮やかな緑。やはりこの時期がグリーンの色合いが一番きれいです。走りを楽しみたいのもやまやまですが、せっかくの機会なのであちこちで停まって景色を楽しみながら、ゆっくりと桧原湖方面に降りていきました。前回来た時は真っ白な塊だった飯豊山地の雪もすっかり消えていました。


深い緑の中に桧原湖が見えてきました。
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飯豊山地の雪もすっかり消えました。


東鉢山の七曲りからの景色。ちょっと霞んでしまっていますが、それでも絶景。
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 西吾妻スカイバレーを降りると桧原湖に出てきます。そのままr2で桧原湖の東岸沿いに南下してR459と合流し、そこから西へ向かい前回来た時と同じく磐梯山ゴールドラインに入りました。こちらの北側斜面は周辺が鮮やかな新緑そのもので、1ヶ月前とはまったく雰囲気が変わっていました。鮮やかなグリーンが眩しい。


磐梯山の爆裂火口を望む展望台、初夏です。

 峠を越えて表磐梯側に出てくると、左手には磐梯山が見えてきます。今回は山頂部まですっかり緑に覆われていて、心なしか山の姿が優しく見えます。そのまま進むと正面には猪苗代湖が広がります。その周辺に広がる会津盆地の全体の色合いも変わってきていました。


磐梯山は険しさが隠れ、やさしく見えます。
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猪苗代湖が見えてきました。


表側の絶景ポイント。1ヶ月前と色が変化しているのがわかります。
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 磐梯山ゴールドラインから出てすぐのところにある道の駅 ばんだいで休憩しました。時間はちょうど10:30前、今から喜多方に向かえばちょっと早いお昼が食べられます。そのままr7で西に向かいR121に出て、喜多方に向けて北上を開始しました。朝食を食べなかったので、さすがに空腹を感じるようになってしまいました。


道の駅 ばんだい。表磐梯観光の拠点にするのに最適。

 昼食・喜多方といえばやっぱりいつもの丸見食堂。入口が工事中だったので入るのに難儀しました。注文したのはねぎチャーシューメン+ギョウザの黄金の組み合わせです。ここの固めのちぢれ麺と、濃い目だがあまりむつこくないスープ、口の中でとろけるチャーシューとねぎのシャキシャキ感の組み合わせが私は好きです。


いつもの丸見食堂。ここのバランスが私は好きです。
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 喜多方からはr21で会津坂下に向けて南下、R49を経由してR252沼田街道に入りました。ところがこの日は挙動不審(予期せぬ動きをするという意味)の車がたくさんいて、ちょっとイライラ。序盤にある追い越し可能区間で何台かはかわしたのですが、結局すぐに次の集団に追いついてしまうので、方針を変更。意識を走りではなく景色にシフトして、あちこちで写真を撮りながら走っていくことにしました。


本名ダムの堰堤上をシケインのように走るR252。下流側には只見線の鉄橋が見えます。
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R252のスノーシェッドよりダム湖を望む。緑いっぱいです。
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 見慣れた国道沿いだけでないところで写真を撮ろうと、今回は所々で只見川にかかる橋に出てみました。只見川は尾瀬を源流とし、豪雪地帯を背後に控えているので年間を通してとても水量が豊かです。橋の上では心地よい風が吹いていて、とても気持ちがよかった。車もあまり通らないので、雰囲気はとてものどかです。時間の流れ方が日常と全然違う印象です。


只見川にかかる橋から。風がとても心地よかった。
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 只見町に近づきましたが、やっぱり遅い車に行く手を遮られて快調な走行とはいきませんでした。只見からはR289で少し南東に走り、いつも寄る深沢温泉のむら湯に行ってみました。ところがバイクが大量にいて、とてもくつろげる雰囲気ではない。とはいえ汗は流したいので、仕方がないので只見駅付近まで戻り、川沿いにある只見温泉に入ることにしました。本格的温泉とはいきませんが、さっぱりできたので良しとしましょう。
 只見からは新潟方面を目指し、R252雪割街道に入りました。


田子倉ダムと只見湖。ツーリング日和です。

 六十里越の区間では2台だけ遅い車に引っかかったものの、それを抜いてからはほぼ自分のペースで走行できたので楽しかった。直4の魅力はやっぱり旋回後の立ち上がりで使うエンジンの吹け上がり。低回転でトルクの粘りがなく、濁ったような音しか出ないCBR1000RRですが、こういった状況下ではポテンシャルの片鱗を見せてくれます。タイヤ特性が変わったせいか、コーナリングの感覚のずれもなくなってきて、今までになく楽しく走れました。
 田子倉湖を見下ろすいつもの場所で写真を撮影しましたが、何度も訪れた中で今日の色合いが最高です。


うわー! ここには何回も来ましたが、今日の色合いが最高です。
(画像に触れると表示が変化します)

 新潟県側でも快調に走行できましたが、前回の給油から280kmの地点で燃料警告灯が点灯してしまいました。このため入広瀬のR291との合流点で2回目の給油を実施。あくまで計算の上では小出まで引っ張っても大丈夫ですが、やはりランプが点灯して燃料の消費表示が点滅してしまうと心理的に不安になります。
 15:30には魚沼市の道の駅 ゆのたにに到着、少し休憩した後に小出ICから関越道に乗って帰途につきました。ここまでの走行は580kmなので、総走行距離は800kmにかなり近づきそうです。


赤城高原SAにて。そろそろ陽が傾いてきました。

 土曜日なので夕方の上り線の渋滞を心配していたのですが、花園IC付近で事故渋滞があった他は順調に流れていました。このペースならそれほど遅くならないと判断したため、嵐山PAにて夕食をとってから帰ること決定。早く帰ったところで何があるわけでもありませんしね。トップメニューの嵐山定食は750円で鳥の唐揚げ+もつ煮込みの組み合わせでボリューム満点。味もまずまずでした。


嵐山定食、750円。ボリュームあって味もまずまず。

 嵐山PAを出てからは混雑はしていたものの、概ね100km/h程度でまったりと流れていたので、そのペースに乗って所沢ICまで戻ってきました。最終的な帰着時間は18:45、14時間のロング・ツーリングになりました。


19:00に近いですが、それでもまだ明るいですね。

 本日の走行、787.9km(うち一般道315.9km)。消費ガソリンは36.64Lで、平均燃費は21.5km/Lでした。もうちょっと伸びたかと思ったんですが。あんまり数値が変わらないということは、このタイヤは柔らかいのかな?

2010.05.29

グループツーリング中止、でも...。

 この日は職場で企画したグループツーリングの開催日。予定では参加が二輪車9台+四輪車1台の予定で、これまでにない規模になりました。私だけでなく、皆さん楽しみにしていたと思うのですが...。
 当日6:00の段階で開催・中止判断を行うことにしていたので、朝起きてからNHK気象情報、気象協会、ウェザーニュースの予報を確認しました。見ると、不思議なことに関東だけが低温かつ雨という状況。降水確率も30〜50%と一番悩ましい状態で、正直判断に困りました。しかし、メンバーの技量がわからない状態で雨中走行を強いるのに一抹の不安を感じたため、中止を決断しました。
 グループツーリングは中止にしたものの、連絡が行き届かなかったメンバーがいてはまずいので、第二集合地点までは出かけたところ、雨でも行きたいというメンバー1名と合流しました。私もタイヤの皮むきだけは行っておきたかったので、コースを大幅に変更し長野県小海町まで往復。行き帰りとも関越道・上信越道はほぼ全線で霧雨状態だったので、一応正しい判断ができたようです。
 本日の走行は381.6km(うち一般道134.4km)でした。

2010.05.16-05.20

特別企画:故郷の家族を連れ、栃木・福島・東京を巡る

 3年ぶりに5連休を取得し、旅をしてしました。祖母と両親を首都圏まで招待して、栃木や福島・東京を案内しようという企画です。年明けから立案に着手し、約1ヶ月前から各種予約手続を開始。なにぶん祖母が高齢なので、電車での移動は避けて全行程で車を使うことに。ただし私のHR-Vではいささか役不足なので、羽田空港の近くでSTEPWGNをレンタカーで借りるようにしました。4人なので例えばAIRWAVEのようなワゴン車でもいいのですが、天井が高い方が乗り降りも楽だし、長時間乗車でも腰が痛くなりにくいはずなので、ちょっと背伸びをしました。

 16日・日曜日の10:00過ぎに自宅を出て、品川の駅ナカで昼食を摂ってから電車で京急大鳥居駅に向かい、車を借りました。そういえばレンタカーなんて学生時代にアメリカでサンフランシスコ〜ロサンゼルスを放浪して以来、15年ぶりの体験です。いささか緊張しつつの運転で合流ポイントである羽田空港第2ターミナルへと向かいました。


これが今回借りたSTEPWGN。2.0L版でした。

 事前にシートアレンジやiPod用FMトランスミッターのセッティングをするつもりで早めに空港に来ていたので、駐車場に車を停めて作業を済ませてから屋上の展望デッキへ上がってみました。日曜日だけあって見送りや写真を撮りに来ていた人でデッキはいっぱい。天気も良く浦安から対岸の市原のコンビナート群まではっきり見えていました。まさに旅には最高の天気です。飛行機の到着時間&ゲートのチェックや細々とした買い物をしているうちに、祖母と両親の乗った飛行機がC滑走路に着陸してきました。ちょうど上手い具合に写真に収めることができました。


高知からの便が到着、いよいよ旅のスタートです。

 今回はANAのPremium Classで航空券を手配していたので、そのサービスに3人とも感激したよう。座席も左側の座席を指定していたので、山頂部に雪が残る富士山を上空から見られたことに感動したとのことでした。
 ここからドライブ旅のスタートです。空港中央ICから首都高に乗り、B湾岸線から9号深川線、6号向島線で建設中の東京スカイツリー直下を通過。さらに6号三郷線を進み三郷JCTからは常磐道に入りました。箱崎JCTで若干渋滞していた他はスムーズに流れていたので、時間も思っていたよりもかからずに東京都を脱出。友部SAで軽く休憩した後に水戸北ICで高速を降りR123へ。ほぼ予定通り17:30には目的地である「ツインリンクもてぎ」に到着しました。
 夕食は「ホテルツインリンク」内のレストラン「グリーンベイ」にて四川風中国料理のコースでした。ズワイガニ入りチャーハンなど、なかなか美味しかった。

 17日・月曜日はホテルを出て、時間潰しもかねてまずはロードコースの外周路を一周してみることにしました。


ホテルツインリンク・玄関前にて出発前に記念撮影。


この日はすごくいい天気。平日なので人も少なく快適です。

 この日の観光の目玉は「Honda Collection Hall」です。ここはHondaの歴代製品やレース車両、ライバル製品などを一同に集めた施設で、さらにはASIMOをはじめとする最新技術のデモンストレーションも見られます。
 後で祖母と両親に話を聞くと、ここが一番印象に残ったとのこと。確かにこういった施設は国内にはなかなかありませんからね。祖母はASIMO、父は歴代のF1マシンなど、それぞれに楽しんでもらえたようです。


Honda Collection Hallの前にて。


祖母のお気に入りはこちらでした。あとでライブも見学しました。


値段にびっくり。唯一の楕円ピストン搭載量産車「NR」は定価520万円です。


本田宗一郎が18歳で手掛けたカーチス号は祖母がまだ生まれる前の車です。


父はこれが印象に残った? F1マシン、RA106 ハンガリーGP優勝車。

 コレクションホールの中にあるミュージアムカフェでピザを中心にした軽い昼食を済ませ、次にグランドスタンドにあるグッズ店を訪れてみました。ショップはホテル内も含めてあちこちにありますが、扱っている商品が微妙に異なっているようです。
 午後はインディカーが走行するスーパースピードウェイを体験走行。持ち込んだ車両でマーシャルカーに先導してもらい、5周ほど周回することができます。さらにはコーナー(バンク)部分で車を降りて、コースにつけられた5°の傾斜を体感することができました。


インディカーの走るスーパースピードウェイを体験走行中!


コースにて傾斜5°を体感することができました。

 体験走行を終えるとツインリンクもてぎを出て、福島県会津地方に向かいました。往復で同じ高速道を使うのでは面白くないので、再び水戸方面に出て常磐道で北上するルートを選択。那珂ICではいつもの癖で間違って東京方面に乗ってしまうというチョンボもありましたが、水戸ICでUターンし時間のロスは最小限に留められました。中郷SAで小休止の後、いわきJCTからは磐越道で西へ転じます。阿武隈高地の登りではSTEPWGNのパワー不足がもどかしかった。4人+荷物なので、2.0Lだとちょっと重いです。
 磐梯山SAで給油を済ませ、次の磐梯河東ICで高速を降りました。途中のコンビニで買い出しをして、ほぼ予定通りに磐梯山の麓、猪苗代町にある会社の保養所に到着。夕食では穴子や山菜の天ぷらなど、新鮮で豪華な食事に感動しました。夜、星を見ながらの露天風呂は最高に気持ちよかった。


翌日の出発前に記念撮影。母はここが一番感動したそうです。

 18日・火曜日、まずはR459で裏磐梯の五色沼を目指しました。毘沙門沼はいつも観光客で一杯ですが、平日でしかも時間が比較的早いので、ゆっくり景色を楽しめると思ったからです。期待通り美しい湖面が見られました。


団体客が去ってからは景色を独占。
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 五色沼からはr2で桧原湖東岸を米沢方面へと向かいました。途中、桧原湖を望める場所や西吾妻スカイバレーに入って山形県との県境である白布峠ではダイナミックな景色が楽しめました。天気がよくて幸いでした。


桧原湖にて。高知にはダム以外の湖がありませんから...。


白布峠から見た磐梯山と桧原湖。箱庭みたいです。
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 米沢まで行ってもいいのですが、そうすると時間がかかる上にあまり見どころはありません。そこで白布峠で折り返し、今度は表磐梯に降りる磐梯山ゴールドラインに入ってみました。裏磐梯から表磐梯へ向かうと、正面に迫力ある爆裂火口や猪苗代湖の美しい姿を見ることができます。磐梯山の北側斜面ではまだかなり雪が残っていました。祖母は雪に興味津々。車中で「触ってみたい」と珍しくリクエストが出てきました。


爆裂火口にて。迫力ある風景が楽しめます。


祖母は雪が大好きなようです。


猪苗代湖が一望できます。
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 道の駅 ばんだいで軽く休憩した後は、昼食のために喜多方市に向かいました。お目当てはもちろんラーメンです。本当は馴染みの「丸見食堂」にするつもりでしたが、行ってみると残念ながら定休日。仕方がないので以前に来たことのある人気店「まこと食堂」に入りました。丸見食堂に比べるとスープが若干むつこいのですが、分量的にはこちらの方がよかったかもしれません。ここでは父のリクエストでお土産のラーメンを購入。


まこと食堂の前にて。本当は食べ歩ければいいのですが...。

 この日の宿は埼玉県さいたま市に取っていたので、日が傾く前には会津を出発しなければなりません。ただしまだ時間があったので、近くにあるお土産屋さん&観光地の「まちの駅 喜多方物産館」「喜多方蔵の里」に行ってみました。蔵の里は雰囲気はいいのですが、正直なところあまり見るべきものはなかったかな...。


喜多方蔵の里にて。雰囲気はいいのですが...。

 蔵の残る町を見つつ、r21で会津坂下に向けて南下。新鶴ICから磐越道に乗って帰途につきました。会津地方は見どころ・走りどころも多いので、本当は2日間ぐらい時間をかけてゆっくり回りたいところなのですが、残念ながら予定があるのでそれは叶わず。磐梯山SAでお茶を買ったついでに記念撮影したのが下の写真。ぐるっと一周した磐梯山の雄姿もこれで見納めです。


会津磐梯山ともこれでお別れです。

 郡山JCTで磐越道から東北道に入り、那須高原SA・佐野SAで休憩した後、岩槻ICまで走行して高速を降りました。平日だったので車も多くなかったので快調に走行できました。
 さて、この日の宿は大宮公園そばにある「割烹旅館 東山」。計画立案段階で念入りに調べたのですが、大宮近辺で和室に泊まれる宿はあまり選択の余地がなく、目についたこちらの旅館にしました。老舗らしく落ち着いた雰囲気の旅館だったのですが、部屋の中に虫が入ってくるなどちょっと気になる面もあったのが残念でした。

 19日・水曜日は通勤ラッシュの時間を避けた時間に旅館を出て、まずは私の自宅に向かいました。


雰囲気のある宿でしたが、気になるところも...。

 自宅を母に掃除してもらい、午後からは車で再び東京へと向かいました。途中、宅急便でお土産などを送り出してから外環道経由で首都高5号池袋線に入り、C1都心環状線を反時計回りで走って芝公園にて一般道へ。給油を済ませてからこの日宿泊予定のホテル「ザ・プリンス パークタワー東京」にチェックインしました。今回は豪勢にガーデンスイートルームへの宿泊。ホテルのサービスはさすがでした。
 夕食までかなり時間があったので、荷物を部屋に入れた後にタクシーで銀座へ。三越と松屋に立ち寄り「銀ぶら」を楽しみました。


銀座4丁目交差点にて。

 銀座からの帰路は、再びタクシーで歌舞伎座・勝鬨橋・晴海・お台場をまわってからホテルに戻りました。夕食はホテルの最上階にあるレストラン「ブリーズヴェール」にてフルコースディナー。美しい東京湾岸の夜景を眺めつつ、料理では「本物のローストビーフ」に全員絶句しました(笑)。

 20日・木曜日、最終日を迎え旅もいよいよ終わりです。朝から低く雲が垂れ込めるという天気で、東京タワーやビル群も雨に霞んでしまっていて、特徴的なランドマークを見せられなかったのはちょっぴり残念でした。3人は午前中の飛行機に乗る予定のため、芝公園から首都高C1都心環状線に乗り、11号台場線のレインボーブリッジを経由しB湾岸線から最終目的地の羽田空港へと向かいました。


出発前、ホテルのロビー裏にて。

 帰りの飛行機もPremium Class利用ですが、羽田発の場合は専用のチェックイン・カウンターが使えます。その前で記念撮影をして大名旅行を締めくくりました。
 やはり別れは名残惜しく、振り返るとこの5日間はお互いにまさに夢のよう。いい思い出になりましたか?
 ともかくも、ほぼ計画通り何事もなく完遂できてよかった。


名残惜しい別れ、羽田空港第2ターミナル19番カウンター前にて。

 最後に羽田空港近くの営業所に車を返して私のミッションも終了です。レンタカーだったとはいえ、5日間も操るとさすがに愛着(?)も出てきますね。最終的な総走行距離は945kmでした。
 馴れない車で長時間のドライブはさすがに疲れましたが、無事に計画を達成して満足感と安堵感に浸れました。


ほぼ計画通り、無事にミッション終了。

 祖母からは昼、夜には母からそれぞれお礼の電話をもらいました。帰りの飛行機ではやはり地上の景色は楽しめなかったそうですが、雲から突き出した富士山頂だけは見られたそうです。
 これにて今年最大のイベントは完了です。思い出の多い旅ができました。

2010.05.04

東京スカイツリーを一瞬だけ見上げる

 所要があってバイクで都心方面に出かけてきました。ルートは首都高5号池袋線から、C1都心環状線内回りと11号台場線を抜けてB湾岸線東行きへ。辰巳JCTから9号深川線に入り、6号向島線・三郷線を抜けて東京外環道へ抜けて1周してくるコースです。
 見どころは6号向島線でした。隅田川に沿って高架の上を走りますが、右手に何か圧倒的な建物が現れ、見上げてみると今建設中の東京スカイツリーでした。走行中なのでじっくり見るわけにもいかなかったのですが、なかなか壮観でした。完成が待ち遠しいですね。
 本日の走行、121.8km(うち首都高・一般道100.5km)でした。

2010.04.30

春から冬、そしてまた春へ。GWの会津路

 いよいよGW突入です。が、今年も各地の高速道路は渋滞必至。せっかくの貴重な休みの時間を渋滞で潰すのはもったいない。それを少しでも回避するために、計画は綿密に練りました。まず渋滞が最も少ないと目されるのは30日。この日は実は平日なので、行楽の車も他の日に比べると少ないはず。とはいえ出発が遅れると混雑が始まるので、ちょっとだけ(?)早起きして5:15に出発しました。行き先は会津ですが、今回はひょっとすると桜が楽しめるかも。


夜明けと同時にスタート。今日も安全運転で。

 和光北ICから外環道に乗り、川口JCTからは東北道で北上しました。もくろみ通り流れも順調で、淡々と距離を消化していけました。ちょっと計算外だったのが気温の変化で、宇都宮までは気温約8℃と少し肌寒いぐらい。グローブも3シーズンのものにしていったのですが、風が冷たくて手がかじかんでしまう有り様。たまらず大谷PAと安積PAでホットのカップコーヒーで暖をとり、冷えた指を暖める羽目に。出発直前、天気予報の最高気温だけを見て3シーズンジャケットのインナーを取ったのは判断ミスでした...。
 郡山JCTからは磐越道で会津若松方面へ。猪苗代磐梯高原ICで高速を降りて一般道へ入ります。ここからは道が混むことはないでしょうから、のんびりと流して走ることができます。


高速を降りると、正面に猪苗代湖が! 本日は視程良好。

 高速出口近くのセルフガソリンスタンドで給油してから、磐梯山方面に向かいました。磐梯山の南側、猪苗代湖に挟まれた表磐梯と呼ばれる区域は田園地帯。どこからでも磐梯山の雄大な姿を見ることができます。この日は北側の空は快晴! 山の稜線もくっきりと見えています。磐梯山ゴールドラインからはすばらしい景色が見られそう。


正面に磐梯山! 空気が澄んで山の稜線がくっきり見えます。
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 通常なら磐梯山ゴールドラインを登っていくのですが、今日はちょっと趣向を変えて山から降りてくる方向に走ってみることにしました。r7で山麓を東側から迂回し、R459で五色沼の入口を経由してから有料道路に入りました。山の北側は陽が当たりにくいので、まだ雪がかなり残っている状態。空気もひんやりとしていて肌寒い。コーナーには雪解け水が流れ出していて少し走りにくい状態でした。なるほど、まだ夜間通行止めというのも頷けます。


標高の高いところでは、まだこんな感じ。夜間閉鎖も頷けます。

 南斜面側に出てくると、雰囲気は一変。明るい空が広がって、目の前には会津盆地や猪苗代湖が広がってきました。何度も来た道ですが、訪れるたびに新しい発見があります。それにしても、天気も良く最高のツーリング日和です。


磐梯山を望む。まだ冬の色が目立ちます。
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すばらしい天気です。まさに行楽日和。


目の前に猪苗代湖が広がってきました。
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 磐梯山ゴールドラインを降りてすぐのところにある「道の駅 ばんだい」でしばし休憩。今日は1時間も走るとホットコーヒーが手放せません。日差しは暖かいのですがまだ風が冷たいのです。一方で駐車場を見てみると、遠方からのナンバーをつけた車が多数。GWに入ったことを実感できます。


道の駅 ばんだいにて休憩。ここの駅は絶好のポイントにあります。

 表磐梯から喜多方に向かう道沿いには、予想通り多くの満開の桜が見られました。明るい日差しに照らされる桜の花はとても美しい。まだ新緑の緑が弱いせいか、景色の中に鮮やかに目立っていました。
 昼食にはちょっと早かったので、喜多方の物産館でちょっと休憩。ここも桜が満開でした。


桜を間近に見られました。香りも楽しめるほど。


空と桜の花。新デジカメの本領発揮。

 丸見食堂でいつもの昼食の後、喜多方から只見方面へ向かいました。丸見食堂ではねぎチャーシューメンと餃子を注文しましたが、漬物とコンニャクの煮込みをサービスしてもらって、お腹いっぱいになりました。
 さて、R252はこの日も車が少なく快調に走れました。只見川中流域に沿って伸びていく沼田街道はハイペースで走れ、景色や道の変化の大きく楽しい道です。とはいえ山に分け入ると山の色合いが変わり、まだ春になりきれていないという印象です。


只見線の眼鏡橋。ノスタルジックな雰囲気。


本名ダムから。水は雪解けの色です。昨年秋の写真と比べると面白い。
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 喜多方より約1時間、魚沼までの中間点の只見駅に到着しました。広場の先には除雪された雪がまだかなり残っています。そのさらに向こうには雪の壁がそびえているのが見え、その上には厚い雲がかかっています。ここからは先日冬季閉鎖が解除されたばかり。季節はまだ冬ということなのでしょう。


只見駅にて。田子倉方面には厚い雲が...。


1月に列車で来た駅。来る列車は1日7本、のどかです。
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 只見駅を出て、すぐ上流にある只見湖を巡ってみました。国道から離れたので除雪が徹底されておらず、道脇には厚い雪塊が残るなど厳しい冬を思い起こさせてくれます。ダムに立ち寄り田子倉湖を眺めましたが、奥只見方面はまだ冬山の佇まいです。


只見ダムより田子倉ダムを見る。


奥只見方面はまだ厚い雪に閉ざされているようです。

 R252雪割街道は予想した通り、雪解け水が道路をあちこちで横切っていて、とてもハイペースで走れるような状況ではありませんでした。これは足回りドロドロの予感。幸いなことに前走車はいなかったので、田子倉湖を眼下にとらえながらゆっくりめのペースでのんびり走行しました。


田子倉駅付近。1月と比べるとかなり雪も溶けてはいますが...。


開通記念碑のある展望台より。空の雲が近いな...。
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県境付近。まだまだ雪が深く残っています。

 新潟県に入ってからも順調に走行。大白川では先日乗った只見線の列車と遭遇しました。考えてみるとこの道で路線を走る列車に遭遇したのは初めてだな〜(笑)。
 15:00前には関越道の通る魚沼市小出に到着しました。いつも通り「道の駅 ゆのたに」で休憩。驚いたことにこちらではちょっと時雨れていました。幸い走行に支障が出るほどではなかったので、最低限の休憩時間を確保してそのまま出発しました。


道の駅 ゆのたにで休憩。さて、そろそろ帰りますか。

 小出IC近くのセルフスタンドで給油してから、関越道に入線しました。アクセルオン・オフが少なかったおかげでちょっと燃費も伸びていそう。関越道の湯沢から小出までは相変わらず車が少ないので、ペースを一定に保って走行。ただこの区間、カーブも少なく走りやすいのに中越地震以来80km/h規制が実施されたまま。気をつけないとすぐにオーバースピードになってしまうので、別の意味で怖いところになってしまっています。
 16:00前には休憩ポイントの赤城高原SAに到着しました。


赤城高原で休憩。順調ならあと1時間ほど。

 赤城高原からは通常約1時間で所沢ICまで戻ってこれます。ところが鶴ヶ島JCTから所沢ICの間で事故渋滞が発生していて、そのノロノロ走行に巻き込まれました。完全に止まるほどではなかったので、ここはじっと我慢して車列の中で頑張りました。ひざ先がだいぶ熱くなりましたけど...。
 結局、高速を降りて自宅まで戻ってきたのは18:00。なんだ、早めに戻れるように計画を組んだはずだったのに、結局いつもと同じ時間になっちゃったなぁ。


18:00に自宅に到着。ずいぶん昼が長くなりました。

 本日の走行、693.3km(うち一般道239.8km)。消費ガソリンは32Lで、平均燃費は21.7km/L。2回目の給油までは22km/L台を上回れるペースだったのに、最後の渋滞のおかげで結局いつもの数値に。あ〜ぁ。
 久しぶりの700kmツーリングでしたが、首が少々疲れました。長い冬の間に、身体はすっかりなまってしまっているようです。

2010.04.25

下見走行

 近々四輪車で走り回る予定があるので、そのルートの下見をしてきました。首都高に乗って都心に向かい、茨城・栃木をぐるっと一回りしてきました。朝の気温はちょっと寒かったけれど、新緑の中を駆け抜けるのは爽快でしたよ。
 本日の走行、390.5km(うち首都高・一般道189.3km)でした。

2010.04.10

お墓参り

 毎年恒例の職場の先輩のお墓参り。今年はCBR1000RRで出掛けてきました。幸い天気もまずまず。10:00ごろ出発してお供え物を調達し、外環道・常磐道を使って13:00前にいわき湯本ICに到着しました。湯ノ岳パノラマラインを一往復。感覚はやっぱりオーバーステア気味。またちょっとずつ修正していきましょうかね。
 お墓の近くに評判の良いラーメン屋さんがあるということで、行ってみました。なかなかの繁盛ぶりで、注文してから出てくるまでに20分以上待つ羽目になりましたが、味はそれだけのことがありました。今回行った店は「東風」。塩ラーメンはあっさりしたスープで、つるつる麺との組み合わせがGOOD。チャーシューも味がよく染みていて美味しかった。絶品はチャーハンで、ベタベタでもパサパサでもない、卵のふわふわが残った上品な味でした。調理しているところを見ると、時間をかけてしっかりと火を通しているのが見えました。なるほど、美味しいはずだ。
 その後上司と待ち合わせ、お墓参りを済ませてきました。集合したメンバーでしばしお茶を飲んだあと、戻りは美野里PAでカツ鍋を食べてから帰ってきました。
 本日の走行、451.3km(うち一般道60.5km)。消費ガソリン21.5Lで21km/L。帰りは10kmほど渋滞でのろのろ走行をしたせいか、ちょっと燃費も落ちています。

2010.04.03

ほうとうを食べ、山手トンネルを走り抜ける

 復活したCBR1000RR。この週末は気温もまずまずとのことだったので、出掛けてみることにしました。といってもまだ早春。距離は短めにして身体を慣らすのが今回の目的です。いつもより遅く、8:00に出発しました。とりあえず秩父を目指します。


あまり天気はよくないな...寒くはないけど。

 R463を淡々と走り、R299に入って秩父方面に走ります。飯能郊外にある私鉄の駅で1回目の休憩。休みなので車も多かろうと思いきや、意外に空いていたのでのんびりと走れました。


まだ雲べったり。山に入るとちょっと寒い。

 秩父までは大型車に頭を抑えられたのでちょっとペースは落ちましたが、イライラがつのるほどではなく、順調に秩父市街地に到着しました。ここからはR140に乗り換え、山梨方面に向かいます。道の駅 あらかわで2回目の休憩。ここには見事な枝垂れ桜がありますが、まだちょっと早かったのか咲いてはいませんでした(昨年の頁を参照してください)。


まだちょっと周りは寂しい。道の駅 あらかわ。

 荒川からはR140で雁坂峠を目指します。幸運なことにこの日は信号待ちを利用して前走車を1台かわしてからは貸し切り状態でした。少し寝かし込みを大きくしてタイヤに熱を入れてみましたが、一冬越してゴムが堅くなったのか結構滑っていました。まもなく8,000kmなので、性能も落ちてきてるんでしょうね。
 この日は後続車がいなかったので、ループ橋から滝沢ダムを正面から写真に収めることができました。


滝沢ダム。橋を見れば高さがあることがわかります。

 ダムを過ぎて長いトンネルを抜けると、道は一気に高度を上げていきます。ここはタイトコーナーの続くワインディング区間。スピードをできるだけ一定に保ちつつ、右に左にコーナーをクリアしていきます。ブレーキング&アクセルオンでメリハリつけて走るのも面白いのですが、最近私は「スムーズに走る」を心掛けているので、今回もその路線で行きました。その方が燃費も多少は上がりますしね...。
 有料の長大トンネルを抜けると山梨県に入ります。


雁坂トンネル出口。ここから山梨県です。

 R140をそのまま走り、山梨市を目指します。ちょうど昼時なのでほうとうを食べようという魂胆です。休憩も兼ねて山梨市駅の近くにある公園で休憩。ここまで来ると陽射しも強くなってきてポカポカ。気持ちよかった。陽射しに輝いてバイクもきれいに見えます(実際は砂まみれなのですが...)。


信玄堤のある河川敷にて。今日は富士山隠れてる。
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 昨年2回来た「歩成」さんでほうとうを頂きました。やっぱり何度食べても美味しいなあ。でもちょっと量が減ってしまったような気がします。ごちそうさまでした。


ほうとうを食す。今度は違う店のも試してみたい。
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 山梨からは甲府盆地を南北に縦断し、R137を使って御坂峠を越えて河口湖へ向かいました。この区間は長い登坂車線があり、路面がスムーズなので快調に走れました。甲府から約1時間ほどで河口湖に到達。本来なら湖面の向こうに富士山が見えるはずなのですが、今日は山頂部だけが雲に隠れてしまっています。条件が揃えば「逆さ富士」が見られるそうです。


富士山、今日は山頂部だけが雲に隠れてしまっています。
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 河口湖から中央道で帰るのが一般的ですが、時間もまだ余裕があったので、御殿場まで足を伸ばしてみることにしました。狙いは先週開通した首都高・中央環状線の新宿−渋谷区間。ここを帰りがけに走ってみようというわけです。
 R138で河口湖から山中湖に抜け、そのまま御殿場まで走り抜けました。


御殿場に到着。ここから東名高速で帰途につきます。

 御殿場ICから東名高速に入線し、東京方面に向かいます。まだ時間が早いおかげで、比較的空いていたので走りやすかった。港北PAで一度休憩。東京料金所を過ぎたところで事故渋滞がありましたが、ここはあまり時間をロスせずに通過できました。首都高3号渋谷線はさすがに混雑していましたが、それでも止まることなく通過。
 渋谷に近づくといよいよ大橋JCTです。ニュースでも紹介されている通り、2重ループで高架の3号線と地下40mにある中央環状線を結んでいます。実際に走行してみるとコーナーRが思いの外きつく、また下り勾配も非常に大きいのでスピードコントロールが難しかった。
 今回は西池袋の先で事故渋滞があり、トンネルの中で10km/hほどのトロトロ走行を強いられて苦しかった。エンジンからの熱で膝は熱くなるし、密封された空間なので空気も悪く、頭がクラクラしてきました。20分ほどでなんとか脱出。
 結局、17:00ごろ帰着しました。


まだ明るいうちに帰り着きました。

 総走行距離は329.9km(うち一般道246.2km)。思ったよりも大回りしてしまいました。まだ肩慣らしといった程度の距離なのですが、首のダメージが思った以上に出たことと、腰にもちょっと疲れが出てしまいました。まだまだ本調子には遠い...。


思った以上に大回りしてしまいました。

2010.03.13

春のあらし! 南房総&横須賀

 土曜日の天気予報は晴れで、気温は東京で19℃。これはもう出掛けるべきでしょう。2010年の第1回とあって、肩慣らしのつもりで近場に行ってみることにしました。目的地は南房総と横須賀。夕方は用事があるので、14:00ぐらいには戻ってくるつもりで計画を立てました。首都高速を使うので、渋滞を避けられるように5:30にスタート。


まだ闇の中での出発。まだ早朝なので暖気もほどほどに。

 R17新大宮バイパスに出て、戸田南ICから首都高5号池袋線に入線し南下。C1環状線の内回りを経由、11号台場線を使ってB湾岸線に出ました。レインボーブリッジからはちょうど日の出が見られて美しかった。
 湾岸線で羽田空港を過ぎ、浮島JCTから東京湾アクアラインに乗り、木更津へと向かいました。アクアラインの橋の上では横風が強く、ハンドルを少し取られるほど。タンクの上に状態を伏せて風の影響を受けにくくした上、少し車速を落としてなんとか通過しました。木更津JCTからは館山道に入り、最初の君津PAで一回目の休憩。


君津PAにて休憩。なんだか天気あまりよくないよ。

 富津中央ICで高速を降り、R127でさらに房総半島最南端に向かって進みます。このあたりはもう何度も来ているのであまり見るべきものはなし。まだ朝早いので道も混んでおらず、快調に南下できました。
 ところが半島南端に近づくにつれ、南からの風が非常に強くなってきて、おまけに時雨れてくるなど天気は荒れ模様。あまり長居せずさっさとUターンすることにしました。


海もえらく荒れていました。
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 R410は「房総フラワーライン」という名前がついていて、海岸線沿いの道には菜の花が数kmに渡って植えられています。気温も高いこともあって、春の到来を感じさせてくれます。ここの写真はもう恒例ですね。FORZAでもVTR1000Fでも来ました。


何度来ても雰囲気の良い道です。


時間が早く交通量も少ないので、ゆっくり見られました。
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 そのまま海岸線沿いに北上。戻りは金谷から東京湾フェリーを使うことにしました。ターミナルで乗船券を購入し、待ち時間5分ほどで乗船する便が対岸から到着。今日はかなり海が荒れているそうで、「飛沫がかかるかもしれません」と係員に注意されました。とはいえもうあの横風の中アクアラインで戻るのも嫌なので、そこは覚悟して乗船しました。


フェリーに乗船。ちょっとした旅気分になれます。
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 話の通り、海はかなり荒れていました。うねりが非常に強く、フェリーも大きく揺れるなどなかなかエキサイティングな体験ができました。私は結構乗り物には強いのですが、慣れない揺れにはさすがに酔ってしまいそうになりました。それでも定刻通り船は神奈川県の久里浜に到着。ここから北上して帰途につきますが、横須賀でカレーを食べていこうというのがもくろみです。


神奈川県に上陸。目指すは横須賀。

 R16で横須賀に向かったのですが、ここでアクシデント。信号待ちで停車中、強風に煽られ右側に転倒してしまいました。気をつけてはいたのですが、停まったところがビルとビルとの間で風が集中、かつフルカウル車で真横から風を受けたので、耐えきれずに転倒。幸い車両のダメージはそれほどでもなく、すぐに走行に復帰できました。
 横須賀では事前に調べておいた有名店に行ってみました。駅近くの「よこすか海軍カレー館」です。お勧めメニューの「元祖よこすか海軍カレー」を注文。
 出てきたカレーはなんだか懐かしい味でした。甘口ですが口の中でじわっと辛さが残る、という感じです。一見ただのボンカレー風?と見えなくもないですが...これも食べ比べてみないとなんともいえないかな。


駅の裏手、ちょっとわかりにくいところにありました。


元祖よこすか海軍カレー、850円。なんだか懐かしい味でした。

 転倒もあったので、ここで終了判断。海沿いを走行するのはさすがに怖くなったので、いつものルートは使わないことにしました、逗子ICから横浜横須賀道路で北上、狩場ICからは保土ヶ谷バイパスで東名高速方面に向かい、横浜町田ICからは東名に入りました。用賀の東京ICからは環八を少し走り、高井戸から首都高4号新宿線に乗ってC2中央環状線経由で5号線に出て、一気に自宅まで戻りました。この日の走行、336.3km。


いいことも悪いことも盛り沢山の展開でした。

 うーん、春のあらしにすっかりやられてしまいました。来週は修理必至。

2010.03.06-03.07

途中下車で食べ歩き! 角館・秋田・新潟の旅

 3月に入ると、そろそろバイク旅を始める時期です。ただ当面は天気が安定しない予報のため、まだバイクで出かけるには早いかな...。とはいえ家でじっとしていると気が滅入る傾向があるので、土日を最大限に使って出掛けることにしました。目的はまだ食べたことのない秋田の郷土料理「きりたんぽ」を食べることに設定。色々と下調べをしてみると新幹線で秋田に向かい、そこで一泊して新潟経由で帰ると要領よく美味しい食事にありつけそうです。見どころもピックアップして、掃除洗濯を金曜の夜にさっさと済ませて出発に備えました。
 土曜日は自宅を8時前に出ました。今回はJR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」で必要な特急券を事前に予約しておいたので、指定席券売機でスムーズに券を受け取ることができました。座席指定もできるので非常に便利。ただし一筆書き乗車券はうまく入力できなかったので、これだけは窓口で購入しました。今回は東北新幹線・田沢湖線・奥羽本線・羽越本線・白新線・上越新幹線を経由して大宮発大宮行きの切符です。美味しい食べ物を求め、いざ出発。


今回の切符。「えきねっと」では上手く入力できませんでした。


今回も大宮駅から出発です。行先は秋田方面。
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 秋田新幹線「こまち9号 秋田行き」大宮 9:22 → 角館 12:12

 大宮から秋田新幹線で北上します。そういえば、私はミニ新幹線に乗るのは初めてでした。通常の幅の狭い客室なのにハイスピードで走るのは最初はちょっと違和感あり。比較的新しい車両の内装は落ち着いた色合いで、ゆっくりとくつろぐことができました。残念ながら天気が今一つで、車窓からの眺めもいまいち。景色の変化が単調な東北新幹線沿線で、何か見どころがあるかと言われても正直「ない」と思いますけどね。


那須の山々。ここから先はまだ春が遠いようです。

 いつもならこういう時間は読書をして過ごすのですが、今回は温度差アレルギーでくしゃみがちで、文字への集中力が全く発揮できず。さらにはこの3週間仕事で根を詰めていることもあって、その疲れもあるのかな。まぶたが重い...。窓からぼんやり外を眺めているだけで精いっぱいでした。そうこうしているうちに、約1時間半で仙台に到着。高速道路で通り過ぎるのを別にすると市街地に来たのは5年半ぶり。


仙台、みちのく最大の都市。あ、そういえば牛タン食べてないや!
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 仙台からは広大な開けた平野をまっすぐに北上します。霧が出ていて遠くまでは見渡せませんでしたが、さすがに日本有数の米どころ。次の停車駅は盛岡ですが、景色をぼんやりと眺めていると、あっという間に到着しました。仙台からは1時間足らず。ただ、特徴的な地形である岩手山も残念ながら雲の中でした。さて「こまち」号はここから東北新幹線「はやて」号と分離し、在来線である田沢湖線に入って山を越え、秋田方面に向かいます。


広大な水田が広がる。さすが米どころ。


盛岡駅に到着。残念ながら岩手山は雲の中...。
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 盛岡を出るとすぐに路線は山間部に差し掛かります。それに伴い積雪も増えてきました。列車はここから仙岩峠を越えて日本海側へと向かいますが、この区間は線形も悪く急勾配の上、積雪も多いそうで交通の難所なのだそうです。事実、列車の速度は非常に遅くなりました。ただ、景色を楽しみたい私としてはこっちの方がウェルカムです。


仙岩峠の山越区間。なるほど、確かに難所です。

 峠を越すとすぐに田沢湖駅に到着しました。次の駅が今回の旅で第一目的地の角館です。角館には12:12に到着しました。この角館、昨年にとある人との会話の中で出てきた地名。さくらの名所として知られていますが、静かな武家屋敷というのも趣があるかも...と思ってルートに組み入れてみたのです。今にも泣き出しそうな天気で残念ですが、ともあれ行ってみましょう。途中下車、その1。コインロッカーに荷物を預け、身軽になって繰り出しました。


角館駅に到着しました。小奇麗な駅舎です。

 夕食を郷土料理で豪華にしようと画策していたので、まずは近くの名物ラーメン屋で昼食にしようと歩いて行ったのですが、残念ながら見つけられず。あてにしていた地図がやたらと大雑把で、かつガイドブックが2003年度版だった、というのがすべての敗因でしょうか。
 仕方がないので、中心市街地に入って土産物屋さんに併設された食堂で稲庭うどんを食することにしました。この稲庭うどん、西日本のものと違い、細くてつるつるの食感。スープもあっさりでのど越しがとてもよかった。これはつけめんも食べてみたくなりました。


食堂で食べた稲庭うどん。なかなか優しい味わい。

 食事を済ませ、次は市街地の中を歩いてみました。武家屋敷は思っていたよりも長く、背の高い松や桜の木が伸びている様は圧巻です。塀の中をのぞいてみると古い建屋があったりして、なかなか味わい深い。歴史を感じさせる街というものは道が狭かったりするのですが、この街は幅も広くて開放感があります。桜の季節はきっと美しいことでしょう。でも、一人ってのはやっぱりこういう場合寂しいねえ。


武家屋敷の街並み。とても開放感があります。


ところどころ、興味深い建物もあります。


中を見学できるところもありました。


武家屋敷の入り口にあった大きなしだれ桜。そこから振り返った屋敷通り。
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 さて、街外れまで来てしまったので再び駅方面に戻っていくことにしました。同じ道を戻るのは好きではないので、今度は桜の名所として有名な桧木内川沿いに戻っていくこと。ところが土手には雪が降り積もっており、足を踏み入れるとずぶずぶと沈んでしまい、とても歩けたものではありませんでした。仕方がないので一つ裏手の通りを使う事にしました。


桧木内川。いい雰囲気ですけど、とても歩けない。
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 そのまま駅の近くに戻ってきたのですが、ここで少し時雨れてきました。傘は持参していたもののコインロッカーに入れてしまっていたので、緊急退避先を探すことに。すると眼前に温泉の看板が! 気温も低くて身体もちょうど冷えていたので、ここで温まっていくことにしました。助かった~。飛び込んだのは市街地にある「かくのだて温泉」。夜はビジネスホテルに宿泊予定なこともあり、ここでゆっくりと温まりました。


かくのだて温泉。中は普通の銭湯だったけど、温まったので良しとしよう。

 風呂上がりに冷たいお茶を飲んですっかりくつろいでしまうと、もうあちこち歩きまわる気もしなかったので、そのまま角館駅に向かいました。駅の回りには特に見るべきものもなかったため、ホテルの中にある茶房で次の「こまち」号を待つことにしました。15分ほどお茶を楽しんでから改札をくぐると、すぐに目的の列車がやってきました。これに乗って第2の目的地である秋田へと向かいます。


こまち19号。これで秋田市に向かいます。約45分の道のり。
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 秋田新幹線「こまち19号 秋田行き」角館 16:17 → 秋田 17:02

 角館を出るとすぐに視界が極端に悪くなりました。こういう風景を見ると雪国に来たなと思います。ただしこの状況はすぐに変わり、奥羽本線との合流点である大曲に着くころには再び天候は回復しました。なお、秋田新幹線は大曲駅でスイッチバックになっていて、列車の進行方向が変わります。車内では「シートは回転できます」との案内がありました。あと30分弱で終点に到着しますが、周りに乗客もいなかったのでシートを反転させました。


雪煙で何も見えない...。雪国に来たという実感が湧いてきました。


大曲駅からは奥羽本線に合流、列車の進行方向が変わります。

 大曲を発車してからぼんやり外を眺めていると、あることに気付きました。隣の線路にレールが三本あるのです。これは新幹線車両を走らせるために標準軌にしたものの、在来線車両も走らせるためにこうなっているそうです。営業線なら区間変更で対応できても、貨物列車なんかはそうはいきませんからね。ミニ新幹線化のデメリットです。


標準軌と狭軌に対応した三線軌道、初めて見ました。

 列車は順調に走り、定刻の17:02に終点秋田駅に到着しました。今日の宿泊はここ秋田なので、2回目の途中下車をします。毎回そうなのですが切符の行先が奇妙なので、改札の人にはしげしげと乗車券の行先表示を確認されてしまいます。初めて訪れた秋田駅はとてもきれいな建物でした。駅前もよく整備されていてとても明るく好印象。さて、いよいよこの旅のメインイベントである「食」を楽しみに行きましょうか。


「こまち」号の終点に到着しました。秋田駅、デザインも凝っています。
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 角館での昼食が軽かったので、宿に行く前に食事を済ませることにしました。今回行ったのは郷土料理店の「てのじ」さん。インターネットで色々と調べていると、きりたんぽだけではなくて色々な郷土料理の品々をコースにしてをリーズナブルに楽しめそうだったので選びました。駅からはちょっと離れていますが、ぼちぼち歩いて行くとちょうど18:00前にお店に到着。のれんをくぐりました。こぢんまりとした良い雰囲気のお店でした。


今回行ったのは繁華街・大町にある「てのじ」さん。

 色々なものを食べてみたかったので、「郷土料理コース」3,500円をお願いしました。一緒に頂いた飲み物は辛口の吟醸酒「六舟」です。辛口とのことでしたが、口当たりがいいせいかあまり辛さを感じませんでした。あてずっぽうで頼みましたが、料理にも合うお酒だったのがラッキー。
 コースは八郎潟のゴリの唐揚げ、じゅんさいの酢の物、どんぶり長芋、刺身(マグロ・サメ)、焼き魚(ハタハタ)、きりたんぽ鍋、お新香(いぶりがっこ)の七品でした。驚いたのがサメの刺身。まるで鶏肉のような舌触りで、噛むと味が出てきて美味しかった。また、ハタハタは身が締まっているのですが、硬さはなく口の中でとろけるよう。ややべたつきが感じられましたが、添えられていた辛口牛蒡がワンポイントで効きました。骨も柔らかく、ほとんど全部食べられました。最後はきりたんぽ鍋。きりたんぽはおもちのような食感(米ですからね)で、味がよく染みていました。一緒に入っていた長葱と地鶏との組み合わせが絶妙。ただ、見た目以上にボリュームがあって、最後は苦しくなってきましたが…(苦笑)。




コース料理の数々。はるばる食べに来た甲斐がありました。

 美味しく頂きました。ごちそうさまでした。はるばる食べに来た甲斐がありました。

 少し酔ってしまったので、覚ましがてらちょっと遠回りをして宿へと向かいます。歩いていると美しくライトアップされた建物が目に留まりました。後で調べてみると「赤レンガ郷土館」というそうで、旧秋田銀行の本店だそうです。盛岡もそうでしたが、東北の街はこういう建物を大事に残しているところが多いです。明日、出発する際にもう一度訪ねてみよう。


ライトアップが美しい赤レンガ郷土館。夜も風情があります。

 今回の宿は大町にあるビジネスホテルの「アルバートホテル秋田」。宿紹介で朝食が美味しそうだった(これ重要です)のと、無線LAN経由でのインターネット接続が可能である点、500円追加するとセミダブルベッドのシングル部屋にできるのが魅力。晩酌のビールとおつまみを買って宿に入り、1日目の行動を終えました。

 2日目は朝5:00に起床。我ながらもっとゆっくりすればいいと思うのですが、身に付いた習慣というものは恐ろしい。8:00に朝食を済ませ9:00過ぎにチェックアウトしました。お店が開くのは10:00前後でしょうから、もうちょっとゆっくりしても良かったのですが、やっぱり旅先は血が騒ぐのかな(笑)。


アルバートホテル秋田。駅からはちょっと離れていましたが、設備・サービスはGOOD。

 まずは千秋公園を目指すことにしました。ホテル前の通りを北に向かって歩いて行くと、昨日ライトアップされていた赤レンガ郷土館が現れました。ライトアップもきれいでしたが、日差しに照らされた姿もまた美しいです。


赤レンガ郷土館。赤と白のマッチングがすばらしい。
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 続けて歩いて行くと今度は竿燈流し館が目に入りました。まだ開館していなかったので立ち寄りませんでしたが、表には竿燈が飾られていて、その巨大さに圧倒されました。停車している軽自動車と比べるとその大きさが分かると思います。よくこれを支えることができますね...すごい。


巨大な竿燈。よくこんなのを扱えますね。

 入り組んだ路地を駅の方へ向かうと、登り坂が現れ千秋公園に入ります。ここは佐竹氏の居城ですが、城址公園ではあるものの山の高さはそれほどでもありませんでした。階段と登り坂を繰り返して高度を上げていくと、目の前には広場が広がりました。至って普通の都市にある城趾公園という印象ですが、ここがその走りなんだそうです。


良くも悪くも、いたって普通ですね。

 頂上部には市制60年を記念して建設された櫓の姿も見えてきました。そこからなら市街地を一望できそうだったので行ってみましたが、なんと冬季閉鎖中でした。下調べが足りませんでしたね...ちょっと心残りです。


いわゆる歴史建造物ではないのですが、眺めはよさそうだっただけに残念。

 千秋公園を後にして、再び駅の方に近寄るとポケットパークと呼ばれる小さな公園がありました。堀に噴水もあってなかなかいい雰囲気です。ガイドブックの写真ではわからなかったのですが、意外にも狭い。その傍にはアトリオンとよばれる美術館や物産館の施設があり、歩き疲れたこともあってそこに立ち寄り、お土産を購入しました。


ポケットパークからの全景。雰囲気はいいですね。


アトリオンでお土産を購入。駅から近くて便利です。

 買い物を済ませた後はそのまま駅まで戻ってきました。そろそろ昼食の時間ですが、何にしようかと悩んで思いついたのが比内地鶏。前夜に調べた結果、駅ビルの中に「究極の親子丼」を食べさせてくれるというお店を発見していました。「秋田比内や」さんというお店です。昼食にしては少々高めでしたが、思い切って「究極」を注文しました。
 出てきた親子丼ですが、比内地鶏の肉と卵を使っているそう。半熟の卵が鶏肉を包み、柔らかいご飯に乗っているのがとてつもなく美味しかった。口の中でふわふわに広がり、肉はぷりぷりしていて噛むとじわっと味が広がる。これはすばらしい!


「秋田比内や」さんの「究極の親子丼」1,280円。少々高いけど、確かにおいしい。
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 期待以上の食事の後は再び改札を通り、ホームに向かいました。秋田ー新潟間は自由席特急券にしていたので早めに席を確保しておきたい。発車30分前だったのですが、既にホームには乗る列車がいました。さっそく進行方向右側(つまり海側)の座席を確保。正直なところ歩きまわって疲れていたので、発車前から座席でくつろげたのはありがたかった。終点新潟までは3時間半以上かかるので、お茶その他を購入してから乗車。
 12:00をまわり週末休みも3/4が終了、いよいよ帰途につきますか。


さよなら秋田。特急いなほ10号で日本海沿いを新潟まで南下します。
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 羽越本線「特急いなほ10号 新潟行き」秋田 12:49 → 新潟 16:32

 秋田を出ると、すぐに進行方向右手に日本海が現れます。何度見ても思うのですが、冬の日本海は独特の風情があります。またこのあたりはツーリングで2回ほど来ているので、見覚えのある風景も多々ありました。懐かしさもある半面、ちょっとした苦い記憶も頭をよぎって悲喜こもごも。


日本海は独特の色合い。のんびりした景色が続く。


平行するのは国道7号線。CB400SF,VTR1000Fで走りました。

 仁賀保・象潟を過ぎ、山形県境が近づいてくると左手には圧倒的な山塊が迫ってきました。名峰・鳥海山です。山頂部は雲に覆われて隠れていますが、裾野のきれいな雪化粧が見られました。私は東北の風景の中でここから見た庄内平野が一番好きです。夏になったらまたブルーラインを走って、美しい青と緑の風景を見に来たいものです。


圧倒的な存在感を示す鳥海山。
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一方で海ともつかず離れず。
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 羽越本線は海岸線に近づいたり内陸部に入ったりと、景色の変化が楽しい路線でした。酒田付近では広大な水田地帯をまっすぐに走っていきます。これが夏に見た緑色の素なんですね。酒田駅以降は停車するたびにお客さんが大勢乗ってきました。
 山形県の鶴岡を過ぎると、列車は再び海沿いに南下していきます。しかし、海岸線は酒田までとは趣が異なり、岩場が多くなってきます。特に新潟県に入る直前からその傾向は顕著で、名勝・笹川流れの付近では並行する国道も大きな岩場をトンネルで抜けていくという、非常に荒々しい地形が続くところです。ちょっと残念なのが羽越線はやや内陸を通るため、あまりいい景色を見ることはできませんでした。


だんだん岩場が増えて。波も荒々しくなってきました。
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笹川流れ付近。険しい岩場が続きます。
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 笹川流れを抜けると新潟県の村上市です。さらにそこからしばらく走ると米坂線と合流する坂町に到着。列車はこのあたりから内陸部を走っていくため、これで日本海とはお別れです。村上でもお客さんがそこそこ乗ってきたので、列車内はかなり込み合ってきました。意外に短距離で特急を利用する人が多いんですね。ちょっと意外な展開でした。
 あとはそれほど見るべき景色もなかったので、読書の時間にあてました。定刻の16:32に列車は無事に新潟に到着しました。ちょっと早いですが、ここで夕食を摂ってから首都圏に戻ることにしました。三回目の途中下車は新潟です。


新潟駅に到着しました。新潟市街地に来たのは初めてです。
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 新潟では美味しいかつ丼をあてにしていたのですが、行ってみるとお店が休みでした。そういえば今日は日曜日、定食屋は休みのところもありますよね。仕方がないので駅まで引き返し、近くにあるレストラン街に行ってみました。するとたまたまかつ丼が名物のお店を発見。当初の目論見とはちょっとずれましたが、あまり時間もないのでここに決定。「たれかつ丼」のセットはなかなかのボリュームでした。サクサクで美味しかったけど、私にはちょっと味が濃かったかな。


たれかつ丼のセット1,300円。ちょっと濃かった。

 食べている間に時計を見ると、想定していたよりも1本早い新幹線に乗れそうなことがわかりました。ちょっと苦しかったけど食べるのをスピードアップ。残りを急いで平らげて、改札に駆け込みました。ぎりぎりセーフで各駅停車の「とき」号に乗り込みました。本当はこれより1本遅い列車の方が停車駅が少ないので乗車時間は短いのですが、時刻表を見ると大宮駅への到着は若干こちらの方が早い。よって、この列車で帰ることにしました。


大宮までの最後の列車です。車両はもはやレトロな感もある200系。

 上越新幹線「とき342号 東京行き」新潟 17:38 → 大宮 19:35

 なんだか久しぶりに新幹線に乗った気分(苦笑)。出発時にはもう日が暮れていて、長岡あたりで真っ暗になりました。もう見るべき景色もありません。そこで持参したThinkPadで旅の記録を編集し、時間を有効に活用しました(←ただの馬鹿かも...)。


編集中! 欲を言えばVAIO Pのようなもっと軽い旅持参用マシンが欲しい。

 越後湯沢からは大勢のお客さんが乗ってきたので、とても狭く感じました。最後の最後で満員列車に揺られて...という感じで、なんだか疲れがどっと出てきてしまいました。19:35に列車は大宮駅に到着、ここで2日間お世話になった乗車券(途中下車でたくさんスタンプを捺されました)ともお別れ。2日がかりの大回りの旅、終了です。


大宮駅に帰着しました。やっぱりかなり遠かった。

 結局、電車を乗り継いで自宅に戻れたのは20:30。なんとかそれなりの時間に戻ってこれました。
 秋田方面に観光に行く場合「こまち」号の往復だと30,000円をオーバーします。他に秋田・大館フリーきっぷだと27,600円。土・日きっぷは秋田は対象外なので使えません。ところが今回の私の交通費は25,760円、まともなルートで行くよりも食事をグレードアップできるぐらいに費用は浮かせられました。ただし長い乗車時間と引き換えですがね。
 角館・秋田・新潟で途中下車の旅、見ようによってはかなりオトクだったかも。きりたんぽ・はたはた・比内地鶏・稲庭うどんと秋田の食をたっぷり堪能できて大満足です。ただ、観光地巡りとしては貧弱でした。


大回りの旅。特急ばっかりでしたけど。

2010.02.20

片道切符の日帰り旅 Vol.4 「飯田線」

 すっかり恒例(?)になりました「片道切符の日帰り旅」。第4回はJR東海の「飯田線」です。この路線は愛知県豊橋市から長野県上伊那郡辰野町を結んでいて、全長約200km。沿線には天竜川の作る美しい渓谷があるということで、この路線も車窓からの眺めに人気があるそうです。とはいえ普通電車で全線走破すると何と6時間もかかるので、さすがにそれはしんどい。そこで一日2往復している特急「ワイドビュー伊那路」を使い、飯田まで行ってみることにしました。
 今日の出発は東京駅から。いつもと同じく通過駅と路線名を書いた紙を窓口の係員に渡し、またもや長大なる片道切符を作ってもらいました。乗車券は東京都区内から北朝霞まで。いざ、出発。


今日は東京駅からスタート。東海道新幹線は独特の雰囲気があります。
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 東海道新幹線「ひかり505号 新大阪行き」東京 8:33 → 豊橋 9:59

 飯田線の特急に乗り継げる「ひかり」を使いましたが、久しぶりの東海道新幹線はやっぱり快適でした。一つ残念だったのは都心からはきれいに見えていた富士山が、一番近づいたところで雲に隠れてしまっていたこと。正直なところ他には特に見るべきものもないので、じっくりと読書の時間に充てました。それでも所々建設中の第2東名の新しい橋梁が見えたりして、少しずつ景色も変わってきているところは興味深かった。
 東京から約1時間半で豊橋駅に到着、ここで飯田線に乗り換えます。乗り継ぎ時間は9分でしたが、在来線ホームまでちょっと距離があって、意外に余裕のない乗り継ぎになってしまいました。お茶を買う余裕もなかった...。


豊橋で在来線特急に乗り換え。意外に余裕のない乗り継ぎでした。

 飯田線「特急 伊那路1号 飯田行き」豊橋 10:08 → 飯田 12:37

 特急電車は3両編成。念のため指定席を取ったのですが、自由席も空いていたので杞憂でした。この飯田線、ローカル線とは言いつつも先月乗ってきた大糸線や只見線とは違い、全線電化されているのが特徴です。天竜川流域は早くから電源開発が行われていて、その影響から電化が急速に進んだそうです。ということで車両の振動は先の路線よりもずっと少なく、レールの継ぎ目を通過する「カタンコトン」という軽やかなリズムに乗って列車は走って行きました。ただ、そのスピードは平地でもかなり遅かったです。最初は「これ、ホントに特急?」と思ったほど。


どこにでもある田園風景。特に見るべきものもなし。

 新城を経由し本長篠を過ぎると、列車は宇連川に沿って山に分け入っていきます。川沿いに線路が走る部分では、川面に陽射しが反射してとてもきれいでした。何より印象的だったのは水の透明度の高さです。ところで、今日の写真は天気が良かっただけに写り込みが激しくなっています。お見苦しい点は何とぞご容赦ください。


透明度の高い水の流れがとても印象的でした。
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 飯田線は地図上でみるとほぼ東北東にまっすぐ延びて行きます。いくつかの道と並行しながらさらに奥に入ると、少し開けた町に到着しました。中部天竜駅のあるこのあたりがダムの町、佐久間町です。2007年の秋、雨の中ツーリングでここまで来たことを思い出しました。ダムは少し山に入ったところにあるので、残念ながら飯田線の車窓からは見えません。


佐久間ダムへの入口にある佐久間町にて。

 佐久間町から飯田線は長大トンネルで山一つ隔てて東にある水窪川沿いの地域に抜けます。ここは佐久間ダムの建設により水没する線路の付け替えでルート変更が行われたところです。ところがこの区域は地盤が不安定なため、一度掘ったトンネルを放棄せざるを得なくなるなど、難工事を強いられたそうです。実際、完成した線路も曲がりくねっていて、列車はスピードを抑え気味にして進んで行きました。


水窪川の美しい渓谷模様が広がりました。
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 水窪を過ぎると、飯田線は再び長いトンネルで西に向かい、天竜川に戻ってきます。そこはダム湖になっており、美しい風景が広がっていました。エメラルド・グリーンの湖面が美しかった。ところが座席が反対側だったので美しい写真は撮れず終い。車窓からの景色を楽しむ目的で飯田線に乗る時は西側の座席を確保することをお勧めします。あと、気づいたのが杉の木の先端が赤茶けていたこと。いよいよ花粉が飛び始めるようです。


いい写真も撮れず...間もなく天竜峡です。

 天竜峡を過ぎると、谷間が広がってきました。遠くには中央アルプスの姿が見えてきます。ここは南信地方と呼ばれ、長野県で最も南に位置しています。意外と暖かくて住みやすいところだそうです。面白そうな道もいくつかあったので、一度バイクでも来てみたいと思いました。


土地が開けてきました。遠くには中央アルプス。

 豊橋から約2時間30分で、特急列車の終点・飯田駅に到着しました。時間はちょうど12:30過ぎ。岡谷に向かう列車が50分の接続待ちのため、ここで昼食にすることにしていました。遠距離切符のため改札で途中下車を申告、あらかじめ下調べをしておいた駅近くの食堂に向かいました。


飯田駅に到着しました。駅舎がユニーク。
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 向かったのは駅のそばにあるラーメン屋さん「新京亭」。ネット上での評判では懐かしい味わいとのことで、楽しみにして暖簾をくぐりました。いつも繁盛しているとのことで、お客さんの混みようによっては列車を一本遅らそうかとも思ったのですが、幸い待つことなく席につくことができました。これなら19時前に帰り着けそう。


駅のすぐ前にある中華そば屋さんです。

 注文したのは「チャーシューメン」と「揚げ餃子」。麺は柔らかいのですが、コシがないという感じではなく、つるつるとした食感がとても印象的。ボリュームもあってなかなか美味しかった。スープは澄んでいる上にとてもあっさりしていて、個人的には非常に好ましかった。私は普段スープはあまり飲まないのですが、これは半分ぐらい飲んじゃいました。チャーシューは薄いのですが味がよく染みていて、あっさりスープとの組み合わせが絶妙です。
 一方揚げ餃子は外側がカラッと揚がっていて、内側は野菜メインでとてもジューシーでした。焼き餃子と違い、食べている間にベチャッとならないのでじっくり味わえます。面白かったのは甘辛のタレがかかっていることで、味のいいアクセントになっていました。確かにこれはなかなかイケる。


チャーシューメン750円。あっさりしていてなんぼでも食べられそう。


甘辛のたれとの組み合わせが美味しかった。揚げ餃子400円。

 飯田線「普通 茅野行き」飯田 13:31 → 岡谷 16:00

 腹ごしらえを終え、再び駅に戻ってきました。ここからは普通電車で中央本線の岡谷駅に向かいます。
 飯田からは伊那谷の西側を谷間に沿って北上して行きます。伊那谷は南アルプスと中央アルプスに挟まれた地形で、両側に2,500m級の山々を見ることができます。線路も意外に蛇行して伸びていたので、東側の席にいても時々中央アルプス側の山をみることができました。飯田や駒ヶ根、伊那付近では若干込み合いましたが、それ以外は乗降する人も少なく、静かな時間が流れて行きました。


こちらは中央アルプス側。山の名は不明。


木曽駒ヶ岳をはじめとする中央アルプス最高峰付近。
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伊那を過ぎた辺りで見た南アルプス。規模としてはこちらの方が大きい。
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 約2時間30分後に中央本線の岡谷駅に到着しました。実は豊橋から飯田までと、飯田から岡谷までは乗車時間は全く同じなのですが、特急と普通電車の感じ方はずいぶん違うものです。普通電車はシートが堅いので長時間乗ると疲れますが、ゆっくり走る分だけ景色がじっくり眺められるので退屈しません。


中央本線駅の岡谷に到着しました。ここから「あずさ」で東京へ。
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 中央本線「特急あずさ26号 新宿行き」岡谷 16:03 → 立川 18:09

 岡谷からは特急あずさで東京方面に向かいました。実はこの列車、大糸線に乗りにいった際に使った列車です。ところが乗り継ぎ時間はなんとわずか3分。急いでホームを移動してなんとか間に合いましたが、正直なところ、あと2分ほどは欲しいところですね。ここでもお茶を買えなかったので、車内販売で間に合わせることに。今回は自由席だったので、前回とは逆の南側の座席に陣取りました。出発してすぐに諏訪湖が見えてきました。


諏訪湖が見えてきました。

 さらに南下すると今度は富士山が見えてきました。いつ見ても美しいシルエットです。ただ、クリアな視界がなかなか得ることができず、完全な写真が撮れなかったのが残念でした。


富士山を北側から。きれいなシルエットです。
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 今回は大月付近で日没を迎えました。1ヶ月前に比べると、明らかに日中は長くなっていますね。
 列車は定刻通り18:09に立川駅に到着。後続電車に乗り換え西国分寺まで行き、そこから武蔵野線で北朝霞駅まで戻ってきました。時間は18:44。10時間11分で片道切符の旅は終了です。

 今回は座席運が悪くて、いい写真がほとんど撮れませんでした。その点は残念でしたけど美味しいラーメンを食べることができたので良しとしましょう。

2010.01.30

片道切符の日帰り旅 Vol.3 「只見線」

 片道切符の日帰り旅・第3弾は一昨年も乗りに行った「只見線」です。この路線は「紅葉の美しい路線」「雪景色のきれいな路線」といったランキングで、常に上位に登場し"絶景の秘境路線"といわれています。また、これに並行する国道252号線は5月から10月にかけて最高のツーリングルートなのですが、一年のうち半分は雪により通行止めとなるため、冬季にこの地域から県境を越えられるのはこの路線だけです。
 今回は2008年春とは逆周りルートで、上り線に乗ってみることにしました。改めて調べてみると、こちらの方が列車の接続がスムーズです。大宮駅の「みどりの窓口」で切符を作ってもらいましたが、先週とは別のお姉さんに「片道でいいですか?」と聞かれ、予想していなかった質問に一瞬絶句。さすがにそれはしんどいかなー。どう説明しようかと考えていると「あ、ごめんなさい。一周するんですね。」と先方から訂正。すぐに端末入力を開始してくれました。「あ、こっちこそ。いつも面倒な客でスミマセン。」と心の中で謝罪したのでした...。


なんだか訳わかんない切符。さすがに往復はつらいでしょ。
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出発! 今日もまずは新潟方面へ。
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 上越新幹線「とき319号 新潟行き」大宮 11:38 → 浦佐 12:43

 只見線の新潟側は魚沼市の小出駅が始発駅になります。そこで今回は最寄りの新幹線駅である浦佐で在来線に乗り換えることにしました。大清水トンネルを抜けて新潟県側に入ると、一面雪景色。今日は越後湯沢もあまり雪はあまり降っていませんでした。これならそこそこ景色も楽しめそうです。只見線では車内販売もないので、新幹線の中で駅弁を食べて乗り換えに備えました。下の写真は浦佐駅到着直前に越後三山方面を撮ったもの。山の稜線が雪雲に霞んでほとんど見えません。この向こうに奥只見がありますが、この分だとかなり積雪も深そうです。


新幹線の車窓から越後三山を望む。


浦佐で在来線に乗り換え。屋根の雪はすごいです。

 上越線「普通 長岡行き」浦佐 12:53 → 小出 13:01

 浦佐からは普通電車で二駅なので、すぐに到着します。小出に到着すると、只見線のホームには2両編成のディーゼル車、キハ40が既に入線していました。進行方向右側(つまり南側)の席に座りたかったので、さっさと列車に向かい席を確保します。鉄道マニアでいっぱいかな?と思いきや、各ボックス席に1人ぐらい座っている程度で、難なく好みの席を確保できました。


小出駅から出発。「実り」を連想させる塗装が美しい。
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車内はこんな感じ。各ボックス席に一人ぐらい。のんびりしたものです。

 只見線「普通 会津若松行き」小出 13:17 → 会津若松 17:18

 さあ、いよいよ出発です。終点到着までは4時間1分の長い旅。距離は140km弱なのですが駅数が38と非常に多く、またほとんどが山間部の走行なので列車の速度が遅いというわけです。また、魚沼からは観光組合の職員なのでしょう、案内のパンフレットを持った人が乗車していました。魚沼のパンフレットと記念乗車券をもらえました。
 さあ、それでは只見線の美しい車窓風景をお楽しみください。

 まずは小出駅を出発してすぐ、魚野川を渡ります。これが魚沼の美味しいお米やお酒の元なのでしょう。


小出駅を出てすぐ魚野川を渡ります。

 小出の市街地を過ぎると、線路は魚野川支流の破間(あぶるま)川に沿って山に分け入って行きます。下の写真のように、出発から数駅ですでに渓谷の趣が出てきました。この川にも所々に大きな橋が架かっていて、それがとても色鮮やかに見えます。白と黒の情景の中にいきなり赤や青の色がピンポイントで現れるので、視界に入るとはっとさせられます。


白と黒の中に浮き上がる鮮やかな橋梁の色。


鉄橋の上から破間川を眺める。冬の川は静かです。

 列車はどんどん川を遡り、小出から30分も走ると山が左右から迫ってきます。このあたりになると線路脇の積雪もかなりのもので、時々車窓からの視界が遮られることも。注意深く周りを見渡してみると、夏にバイクで走っている時には気づかなかった地形もたくさんあって、発見の連続でした。列車の速度が遅いので、慌てなくても写真を撮りやすいのが嬉しい。


圧倒的な岩山が迫ってきたり、深い渓谷が現れたり。
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 さらにしばらく走り、入広瀬付近からは高度を上げて行きますが、この辺りから国道252号線と並走していきます。いつもは一瞬で通り過ぎる景色も、ちょっとだけ違った速度・角度で見るだけでとても新鮮に見えます。道路状況は写真に写っている通り。除雪はされていて走行はできそうですが、左右の雪の高さを見るとここが特別豪雪地帯であることを実感することができます。


国道252号線と交差。ここまでは除雪されていました。
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 きつい坂をどんどんと登って行くと、新潟県側で最後の駅となる大白川駅に到着しました。写真にあるように、さすがに雪がやたらと深いです。南国生まれの私としては、こういったところに住むということが、いったいどんなに大変なことか想像もつきません。並行してきた国道252号線もここから先が冬季の通行止め区間になります。


最も雪の深いところでした。大白川駅付近。

 大白川駅から次の停車駅の只見駅までは約30分かかります。この県境を跨いだ区間は道路の方も全く除雪が行われてはいないので、まったく人のいない地域を走って行くことになります。時折、動物のものとおぼしき足跡が見られる以外は、まっさらの雪原が広がっていました。ディーゼル車のエンジンと車輪が線路を捉える音以外は全く聞こえません。
 並行しているはずの国道もどこにあるのかまったくわかりませんが、所々に架かっている橋でその位置をだいたい推定することはできます。この深い雪の中に、あのお気に入りの道はあるんだ...。


あった! 雪割り街道の痕跡。


うわ、すごい。よく橋が落ちないもんですね...。

 山の上の方を見上げていましたが、雪雲がかかって全く見えません。まさに秘境感満点。ここは日本海側から流れてくる寒気が山沿いに入り込み、雲が高い山にぶつかることで大量の雪が降るそうで、本州でも屈指の豪雪地帯とのこと。よくよく考えてみると、よくこういったところに鉄道や道路を造ったと思います。この路線が建設されたのは昭和30年から40年代。今と違って優秀な機械がある訳ではなく、根気で造ったのがよくわかります。


上の方は雪が降り続いているようです。

 全長6,359mの六十里越トンネルを抜けると、福島県に入ります。このトンネルは最初登り坂で、列車は身震いをしながら走って行きました。距離も長い上に列車の速度も遅いので、思っていた以上にトンネル内にいる時間は長かった。途中からエンジン音が静かになって、そこからは列車は軽快に下っていきました。
 トンネルを抜けると田子倉湖が見えてきました。本来ここには田子倉駅という無人駅があるのですが、臨時駅の扱いで冬の間は列車は停まらないそうです。国道252号線は田子倉湖沿いに走るので綺麗な景色を堪能できますが、残念ながら只見線はトンネルで抜けて行くので、湖面が見えるのはほんの一瞬だけでした。


田子倉駅付近。国道もスノーシェッドも埋まりかかっています。
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一瞬だけ田子倉湖も見えました。とても静かです。

 トンネルを抜けつつ高度が下がっていると、目の前に只見町の中心市街地が開けてきました。出発から約1時間での到着です。私はなぜかこの街の雰囲気がすごく好きなのです。語感がいいのか、のんびりした雰囲気が好きなのか。初めて訪れてから10年半になりますが、自分でもその理由はよくわかりません。
 予想通り積雪はかなりのもので、除雪された道の両脇の壁の高さを見ると、その深さがわかります。以前に4月上旬にバイクで来たこともあるのですが、その時もかなり雪が残っていた覚えがあります。


只見町に近づいてきました。


雪を切り取って道を復活させています。すごい高さだ。

 坂を下りきってしばらく走ると只見駅に到着しました。ここでは上下線の行き違いはありませんが、2分ほど停車するので何人かの乗客はホームに降りて写真を撮っていました。予報では雪だったのですが、実際の天候はくもり。個人的には雪の降る中での只見の風景も見てみたかったところです。ちなみにこの駅、列車は1日上下各3本のみ。時刻表がものすごくあっさりとしているため、楽勝で暗記できます(笑)。


福島県の最初の駅(臨時駅除く)に到着しました。

 只見を出ると、今度は只見川に沿って線路は延びて行きます。このあたりからは只見川の流れもゆったりとした流れに変わり、ひなびた山村風景が車窓を通り抜けるようになってきます。比較的高いところから川を眺められることが多いので、風景を眺めるのが非常に楽しいです。


叶津の高架橋から只見川下流方面を望む。


左岸にあるスノーシェッド上に積もる雪もかなりのもの。

 国道252号線と只見線は川を渡りながら何度も交差します。国道の橋は目立つ色に塗装されていることが多いので、景色から非常によく浮き出してきます。写真は会津のマッターホルン、蒲生岳に近いところにある国道の橋です。バイク走行中は一瞬で通り過ぎてしまい、橋のディテールが見えていないことも多い。そういう意味で改めてじっくり観察してみると、新しい発見がいっぱいです。


只見川にかかる国道の橋。離れてみると美しい形です。

 蒲生岳にさらに近づくと、川幅が広がった部分に出てきます。ここは只見線を紹介する際によく写真で出てくるところです。国道とは反対側を走っているので、バイクの時には見覚えのないせいか、とても新鮮な景色に見えました。橋を渡る時のカタンコトンという音が軽やかで心地いい。こういう眺めの良い場所で、ゆったり走る列車からの眺めは格別です。昔の鉄道っていうのはみんなこんな感じだったはず。なんだか懐かしいな。


よく紹介される只見線の橋梁。なんだか懐かしさが漂う。
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絶景ポイントである寄岩橋です。川を斜めに横切ります。
(画像に触れると表示が変化します)

 しばらく走ると会津塩沢駅に到着しました。ここには積雪を示す棒が立っていましたが、その表示は約180cm。人の住むところでこれだけ積もっているのですから、一つ裏手の山に入ると一体どうなっているんでしょうかねぇ。


積雪180cm。私の身長より高いです。

 会津塩沢駅を過ぎると、ダム湖が広がります。発電用に設置されている滝ダムです。ここは司馬遼太郎の小説「峠」で有名になった長岡藩士・河井継之助の終焉の地として知られています。戊辰戦争において故郷の長岡から撤退して八十里越を越え、友軍の会津へ落ちる途中での死でした。
 国道はここから長いスノーシェッドで山を回り込んで、次の町へと向かいます。


一度、河井継之助史料館も訪れてみたい。


ここから山向こうまでスノーシェッドが延々と続きます。

 とある駅で、見えてきたのは下の標識。たぶんこの下に道路があるのでしょうが、これだけ見るとなんのこっちゃ状態です。


なんのこっちゃ状態です。

 只見川を何度も渡るこの路線は、橋上からの眺めがとてもすばらしい。また、平地が少ないせいで川面からの橋の高さがあり、橋上からはかなり遠くまで見渡せるのがいいです。また、先に触れたように只見川は発電用のダムが多いので、そういった施設を間近で見ることもできます。只見川流域は戦後の経済成長のバックボーンである電源開発において、重要な役割を果たしてきた地域といえます。


こうしてみると、橋はかなり高さがあることがわかります。


本名ダム下流。左手奥に大規模変電所があります。

 所々、除雪した雪を川に捨てているところが見られました。降り積もる雪を処分するには、確かにこうするしかないでしょう。ただ、あれだけの容積の雪を動かすのはなかなか大変なはず。すごいなぁ。


除雪した雪を川に捨てている様子がわかります。

 小出からちょうど2時間で、中間地点の会津川口駅に到着しました。只見線は全線単線なので、ここで上下線の列車の交換がありました。停車時間は11分と比較的余裕があるので、手足を伸ばそうとホームに降りてみました。ところがちょうどみぞれが降り出し、とても寒かった。車内に戻ろうかと思っていると、ちょうど下り列車がやってきましたのですかさず写真撮影。前回はこの列車に乗って小出まで行った訳です。さて、実はここでもまだ中間地点です。終点までの道のりはまだ長い。


これが乗ってきた列車。まだ行程半分です。ちょっと待っていると...


反対側から下り列車がやってきました。
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 会津川口駅を出ても、景色はそれほど変わりません。相変わらず川を渡りつつ国道とクロスしながら列車はゆっくりと進んで行きます。下の写真は三島町との境に近づいたところの写真。ここにも写っているようにここは国道のセンターラインが破線。ということはバイクでは遅い車の抜きどころというわけです。いつもそちらに集中して眺めをゆっくりみることはないので、じっくりと周りの景色を目に焼き付けておきました。


ここは追い越し可能なストレート。いつもは走るので精一杯。

 さらに何度も何度も川を渡り、会津盆地へと向かいます。かなり東に来たはずですが、このあたりでもまだ山は険しく、線路と道路は山肌を削るようにして存在しています。このころになるとそろそろ景色にも飽きてきましたが、距離や時間はまだ残り1/4もある...(苦笑)。それでも少しずつ空が明るくなってきて、会津盆地が近いのが感じ取れました。小出から約3時間で会津盆地への出口にあたる柳津に到着しました。


かなり会津盆地に近づいているはずですが、まだ景色は変わりません。


だんだん空が明るくなってきましたが...陽も傾いてきました。


振り返ると川面に山が映り込んでいました。

 会津坂下駅に近づくと只見川に別れを告げ、線路は会津盆地を南に回り込んでいきます。只見川はこの後阿賀川と合流し、阿賀野川となって日本海へと注ぐのです。さて、ここからは只見線の車窓の景色は一変し、列車は雪に覆われた広い大地の中を快調に走って行きました。でも、もうすぐ陽も暮れるな...。


どこまでも広がる会津盆地を快調に走る。

 定刻通り、17:18に終点会津若松駅に到着しました。それと同時に辺りは真っ暗に。4時間におよぶローカル線の旅でしたが、文庫本を読むよりも景色を見ていた方がずっと長くて、思っていたよりも退屈せずに済みました。写真撮影もこの時点ですでに100枚以上。1日に100枚なんて過去に例なし。


会津若松駅に到着しました。

 さて、ここから郡山経由で大宮に戻るのですが、磐越西線の郡山行き電車との接続が40分以上あるので、ここで夕食を摂る事にしました。長距離切符なので途中下車(改札の人が乗車券を見て意外そうにしていました)をして、駅構内にある郷土料理のお店「一會庵」に入りました。事前に駅前の飲食店を調べていたのですが、あまり特徴のあるお店を発見できなかったし、40分しかないので駅から離れないでおこうという判断です。
 あまり期待していた訳ではないのですが、嬉しいことに店内でそばを打っていたりとなかなか本格的なお店でした。身体を暖めたかったので「かけそば」と、この地方の郷土料理の「こづゆ」をセットにしたものを頼んでみました。


駅構内にある郷土料理のお店「一會庵」さんです。

 そばは意外なほど優しい舌触り。コシはあまり強くないものの、のど越しはいい感じでした。あっさりめのつゆと相まってなかなか美味しかった。一方、こづゆの方は帆立から取った出汁をベースに、いろいろな物が入っていました。ちょっとドロッとした食感で、正直あまり好きにはなれないかな。ただしこの地方では冠婚葬祭の時に必ず出る、ポピュラーな料理だそうです。


「かけそば」と「こづゆ」のセット。ささやかな旅気分。
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 食事を終えたところ、ちょうどいい時間になったので再びホームに戻り、電車の入線を待ちました。夕方の電車ということもあって、列車を待つお客さんの数も多かったです。


会津若松駅舎。さぁ、帰途につきますか。

 磐越西線「普通 郡山行き」会津若松 18:05 → 郡山 19:19

 ここからは普通電車で新幹線駅である郡山に向かいます。車内は結構混んでいましたが幸いにも席が確保できました。ただしもう陽が暮れていたのと、気温も下がってきたので窓も曇ってしまい、展望は全く楽しめず。仕方がないので持参した文庫本を読む時間に充てました。
 約1時間で郡山駅に到着しました。乗り継ぎ時間は15分、ホームに上がるとすぐに乗る新幹線がやってきました。


郡山駅に到着。ここから新幹線で大宮に戻ります。
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 東北新幹線「Maxやまびこ128号 東京行き」郡山 19:34 → 大宮 20:30

 東北新幹線は自由席でしたが、この時間帯のやまびこは空いていました。2階席の窓側に陣取り、この日撮影したデジタルカメラの写真をチェックしながらのんびり戻ってきたのですが、大宮まであっという間でした。新幹線が長距離移動の常識を変えたというのも、よくわかる話です。


スタート地点に戻ってきました。一周の旅終了。

 今回もひたすら列車に乗るだけの旅でしたが、接続時間を使って郷土料理が食べられたり、きれいな写真が撮れたりして満足度はまぁまぁです。只見線では記念乗車券ももらえたし、面白い旅でした。この路線、なくなって欲しくないな。


一筆書きでぐるっと一周しました。

2010.01.23

片道切符の日帰り旅 Vol.2 「大糸線」

 さて、今週はどこに行こうか? 数日前からJR東日本の運行情報を見ていると、只見線は大雪で部分運休しており、運行そのものに不安があったのでパスしました。そこで思い立ったのが「大糸線」。長野県松本市から、日本海沿いの新潟県糸魚川市を結ぶローカル線です。並行する国道148号線はこれまで何度もバイクで走っていて、川の対岸に見える大糸線の線路を見て「あそこからの景色も見てみたい」と思っていたのです。
 Webで時刻表を検索してみると、大宮から上越新幹線で越後湯沢へ、そこから特急に乗って糸魚川まで出て大糸線に乗り、南小谷から特急に乗ればうまく一周できることがわかりました。乗り継ぎ時間は最大でも15分と非常に効率的。いつもより遅めの9:30ごろ自宅を出発しました。


今日もいい天気です。さて日本海側の天気はどうかな?

 大宮駅のみどりの窓口で切符を購入。言葉でルートを説明するのは大変なので、事前に路線名と列車名を書いたリストを係の人に渡して乗車券を作ってもらいました。ちなみに北朝霞は私の住む場所でのJRでの最寄り駅です。出てきた切符は下の写真の通りで、何と経由路線名の欄が足りないために手書きで書かれていました。手間を取らせてすみません窓口のお姉さん。ちなみにこの区間、普通に買うと運賃は210円(!)です。片道切符の日帰り旅、スタート。


えらく大回り片道切符。欄が足らずに路線名が手書きに...。


時間が中途半端だけに空いていると思いきや...。

 上越新幹線「Maxとき317号 新潟行き」大宮 10:38 → 越後湯沢 11:30

 時間が中途半端なだけに自由席でも大丈夫だろう...と思っていたら甘かった。自由席は満席で、仕方がないのでデッキに出て壁にもたれて時間を潰すことにしました。スキー用具を持った人は意外に少なかったのに...。ところで1時間弱といえば比較的短編の文庫本1冊を読むのにはちょうどいい時間です。新幹線はカーブが少ないので揺れも小さいため、その程度の時間なら立ちんぼでも気になりません。


まぁたった1時間弱だし、車窓から見るべきものもないので読書に没頭します。

 定刻通り乗継駅の越後湯沢駅に到着しました。県境の長いトンネルを抜けると深い雪景色に一変。スピードが上がっても川端康成の小説「雪国」に描かれた旅情はきっと同じでしょう。新潟側ではかなり雪が降っていました。当たり前といえばそうですが、南国生まれの私には珍しくてしょうがないもので...。
 ここからは在来線特急「はくたか」に乗り換えて糸魚川へ向かいます。この列車、現状では東京から富山・金沢方面に向かう際の現状最短ルートなのですが、長野新幹線が延伸した北陸新幹線が開業すると、旅客の流れはそちらに移ってしまうはず。その後どうなってしまうかはちょっと心配なところがあります。


さすがに豪雪地帯。どんどん降り積もっていきます。


特急はくたか8号。北陸新幹線開業後はどうなる?

 ほくほく線・北陸本線「特急はくたか8号 金沢行き」越後湯沢 11:38 → 糸魚川 12:58

 「はくたか」も座席はかなり込んでいました。実は在来線特急は指定席を取っていたのですが、これが結果的には正解でした。ほくほく線内はトンネルが多いのであまり見るべきものはないのですが、山間部では樹氷を間近で眺めることもできました。白一色の風景というのはやっぱり私にとっては新鮮なものです。
 直江津駅で乗務員が交代、ここから路線管轄はJR西日本になります。直江津からは日本海沿いを西へ向かいますが、波がかなり高そうでした。天気も雪こそ降っていないものの曇天で、所々薄日が差している程度。予報から想像していたよりも天気は悪くはありませんでした。


車窓からは樹氷が見られました。


直江津に到着。ここからJR西日本になります。

 越後湯沢から約1時間半後に、乗換駅である糸魚川に到着しました。ここはバイクツーリングでお馴染みの地です。ここから今日のメインイベント、大糸線に乗ることになります。
 特急を降りてホームを歩いて行くと、既に二両編成の気動車が入線していて、発車時刻を待っていました。調べてみるとこの列車は「キハ52」といい、大糸線では塗装違いで3両が運用中。全国各地で活躍していたそうですが、老巧化が進んだために再来月で大糸線からの引退が決まったそうです。それを惜しんでか、大勢のお客さんが写真を撮っていました。


キハ52の2両編成。向こうに写っているのが実は三両目で、全部見られました。


糸魚川名物の赤レンガ車庫。大正元年竣工だそうです。

 大糸線「普通 南小谷行き」糸魚川 13:12 → 南小谷 14:13

 ここからは非電化区間のため、気動車での運行です。ディーゼル車特有の低く鈍い振動が床に響いた後、列車は出発しました。お客さんはほとんどが「鉄ちゃん」のようで、皆さん大なり小なりのカメラを持っていました。
 この路線は終点の南小谷までは日本海に注ぐ姫川に沿って南下します。このあたりはフォッサマグナ西端の糸魚川ー静岡構造線として有名ですが、地形の変化が激しいところであり、1995年の集中豪雨による大災害は記憶に新しいところです。
 そういったところを走る大糸線は、急勾配でかつカーブが多いことから非常にゆっくり走るため、眺めを存分に楽しめます。路線には連続するスノーシェッドなどがあり、乗車していても変化のあるとても面白い路線といえます。それでは、車窓からの景色をお楽しみください。


糸魚川から少し遡ったところ。並行するのはR148。
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少しづつ渓谷のような趣が出てきました。


国道のスノーシェッド出口。ここは本当に長いのです。


だんだんと雪が深くなってきました。
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発電所にかかる吊り橋。小さいながらも立派。


川は広くなったり狭くなったりを繰り返し...。


道の駅 小谷を対岸から。ここの風呂入ったことあったな。
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流れのよどんでいる場所は凍結しています。

 ゆっくりと流れる車窓の風景を眺めている内に、終点の南小谷駅に到着しました。景色に見とれてあっという間に着いてしまった印象です。終点の南小谷駅ではこれから乗る特急電車が待っていました。


終点、南小谷駅に到着。ここから南はJR東日本の管轄で、電化区間です。
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 乗り換える前に正面から記念撮影。旧国鉄塗装の車両はレトロ感漂う佇まいです。車体には「日本国有鉄道」の刻印もあったりして、歴史を感じさせてくれます。間もなく引退、長い間ご苦労さんでした。
 キハ52は特急電車より先に糸魚川に向けて出発して行きました。


また一つ、昭和の面影が消えることになります。
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 大糸線・中央本線「特急あずさ26号 新宿行き」南小谷 14:23 → 立川 18:09

 南小谷からは特急「あずさ」に乗車し、一気に東京郊外まで乗り入れます。所要時間は3時間46分。新幹線網が発達した中でいえばなかなか長い道のりということになります。南小谷からは引き続き渓谷沿いを進んで行きますが、ここからは電車なので揺れも騒音も少なくて快適そのもの。でも、「旅」という観点で言えば少々味気ないような...?


そろそろ上流の雰囲気になってきました。


左手奥の水面は凍結しています。山の中であることを意識します。


高い山が見えてきました。北アルプスのようです。
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 約15分後に白馬駅に到着しました。駅周辺の積雪はさほどでもないようですが、西側に見える斜面は真っ白でした。


白馬駅に到着。ここもツーリングの休憩ポイント。
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 白馬からは徐々に安曇野に向けて下って行きます。所々国道とクロスして走るので、道の雪の状況もチェックしながら景色の変化を楽しみました。路面状況を見る限りまだまだ春は遠そうです。南に進むと谷間が少しづつ広くなり、前方には開けた土地が広がってきました。白馬から30分弱で信濃大町駅に到着です。ここは立山黒部観光の玄関口。いつかそういう目的でも訪れてみたいところです。


まだまだ春は遠そうですね。


谷間が広がり、だんだんと開けてきました。


信濃大町に到着。立山観光の玄関です。

 信濃大町駅から松本駅まで、安曇野の広い平地を電車は快調に走ります。驚いたのが景色の変化。しばらくは雪に覆われた田畑が続いていたのですが、下の写真を撮ったわずか4分後に、景色が一変しました。こんなに唐突に変化するとは、正直意外です。個人的にはこのあたりはもっと雪が多いと思っていたのですが、そういうわけではなさそうです。


雪に覆われた大地、でも4分後には...!
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 松本に近づくと、東側にも遠くに山頂を白くした山々が見えてきました。今年は大雪、大雪と呼ばれますけど、日本海に近いところ以外ではそれほどのようにも思えません。


こちらは聖山かな?


こっちは美ヶ原方面かな。鉄塔が見えます。

 松本からは塩尻・岡谷・下諏訪・上諏訪と連続して停車して行きます。岡谷では街を横切る長野自動車道の高架を眺められました。走っている時はなかなかどうなっているのかわからないのですが、ものすごく高いところを走行していたんですね。新しい発見でした。


岡谷市街地を縦断する長野道の高架橋。高い!

 諏訪から甲府までの間は右手に八ヶ岳を見ることができます。ただし路線が斜面にあることが多いので、なかなかきれいに山全体を見渡せないのが残念なところ。それでも数少ないチャンスをかろうじてモノにできたようです。この山も非常に惹かれるものがあります。


八ヶ岳が見えてきました。荘厳な雰囲気も漂います。陽に照らされて美しい。
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 途中で気づいたものは中央本線旧線の立場川橋梁です。実はこの廃線となった古いルートの遺構で、それが解体されずにそのまま残っているという珍しいもの。鉄道遺構マニアのWebサイトに行けばだいたい載っていそうです。あるということは知っていたのですが、詳細な場所は知らなかったので、写真が撮れてラッキーです。向こうに見えるのは中央道。


中央本線旧線 立場川橋梁の遺構を発見!

 甲府付近で陽が暮れました。こうなるともう景色は楽しめません。塩山以降は完全に読書の時間に充てました。
 電車は定刻通り18:09に立川駅に到着。後続の電車で西国分寺まで行き、武蔵野線に乗り換えて18:44にゴールである北朝霞駅に到着しました。大宮駅からの乗車時間は7時間23分、路線距離は618.8営業キロ。


ゴールです。景色の変化は大きかったけど...。

 うーん、今回は目的通り景色の変化を楽しめたけど、何か美味しいものが食べられたわけでもなく、そういう意味では充実度イマイチのちょっと微妙な旅だったかなぁ...。


東行きの電車で出発し、西からの電車で着く。

2010.01.16

片道切符の日帰り旅 Vol.1 「常磐線」

 寒い日が続いています。こういった週末に家にいるのは逆に辛いので、再び出掛ける場所を探しました。そこで思い浮かんだのが2年前のJR東日本のCM。吉永小百合さんが東北の小さな城下町を訪ねるというコンセプトで作られていました。その際に映ったのが「うーめん」。それが非常に美味しそうに見えたのを思い出したので、実際に食べに行ってみることにしたのです。場所は宮城県白石市、時刻表で調べてみると大宮から東北新幹線利用で2時間弱と日帰りするには手頃です。
 出発に先立ち、宮城に住んでいたことのある職場の先輩に「うーめんって、どんな味なんですか?」と聞いてみたところ、「うーん...。あったかいそうめん。」との返事が...(苦笑)。やっぱり自分の舌で確かめに行こう。
 土曜の朝はちょっと寝過ごしましたが、それでも目指す列車にはなんとか間に合いました。電車を乗り継ぎ大宮駅から東北新幹線で出発です。

 東北新幹線「Maxやまびこ105号 仙台行き」大宮 8:34 → 福島 9:46

 先週の長野新幹線に比べると速達列車ではないためか座席は空いていて、"ダブルデッカー"車両の上階席に座ることができました。この二階建て車両は速度が遅いなど運用面であまり評判はよくありませんが、ほとんど高架上で走る東北新幹線では眺めが非常にいいので、私は嫌いではありません。さて、いよいよ出発です。新幹線とはいえ長距離列車の出発の瞬間はやっぱりワクワクします。


大宮駅にて。今度は豊北新幹線で北に向かいます。


長距離列車の出発はやっぱりワクワクします。2階席からの眺めは抜群。

 宇都宮・郡山に停車後、約1時間ちょっとで乗り換え駅である福島に到着しました。郡山の手前から積雪が見られるようになりましたが、想像していたよりも深くはありませんでした。ただし空気は刺すように冷たかった。ここから在来線の東北本線に乗り換えて白石に向かいます。


福島駅にて在来線に乗り換えます。連絡通路にて。

 東北本線「普通 白石行き」福島 10:00 → 白石 10:34

 福島から普通列車で白石に向かいました。2両編成の列車は立つほどではなかったものまずまず混雑。福島盆地から国見の坂を登って宮城県に入るのですが、峠付近からは白く染まった福島市街が陽射しに輝いていてとてもきれいでした。よくツーリングで通る東北道も並行して走っているため、夏場と冬場の景色の違いも堪能しました。
 約30分強で終着駅かつ目的地の白石に到着。ここも思ったより雪が少なく、なんだか拍子抜け。ただし遠くには蔵王の山が聳え、その山頂部は厚い雲に覆われていました。


目的地に到着。意外にも雪は少ないです。

 目指すうーめん屋に向けて市街地をぶらぶら歩いている時のこと。アーケードにある交差点でちょっと違和感を覚えました。なぜなら、歩行者用の信号が見当たらないのです。んー?と思いつつ周囲を見回してみても、いつもあるべき位置に信号はありません。仕方がないから車両用を見るか...と思って上を見ると、なんと一体化したユニットが...! なるほど、こういうことか。でも支えるの大変そう(笑)。


なんと大胆な信号機! なるほどのアイデアですが、支えるのは大変そう。

 市街地を抜けて郊外の白石川の河川敷に出てきました。実はここは昨年のツーリングでも通ったところ。風をよける場所のない堤防の上で、冬の風は凍てつくほどに寒かったけれど、当たる陽射しはとても暖かい。ここでちょっとだけ時間を潰してお店に向かいました。


白石川の河川敷にて。風は冷たいけど陽射しは暖かい。

 さて、お楽しみのうーめん1軒目は市街地の外れにある「うーめん番所」です。実はここが例のCFに出ていたお店なのです。うーめんは冷たいものと温かいものを選べますが、河川敷ですっかり身体が冷えてしまったので、今回は迷わず温かいそばを注文しました。色々魅力的なメニューがそろっていたのですが、CFで映っていた「葛かけうーめん」がなんとも美味しそうだったので、そちらにしてみました。
 出てきたうーめんはとろみのあるスープにつるつるの細麺が入り、鶏肉や海老が乗っていてほかほかでした。味はやっぱり「そうめん」で、麺の味よりもつるっとした舌触りの方を楽しむという感じ。とろみがあるスープなので、麺や具材の温かみがそのまま身体に染み入りました。一言で表すなら「優しい味」というところでしょうか。


市街地の外れ、R4とR113の交差点近くにある「うーめん番所」さん。


葛かけうーめん、1,100円。とても優しい味でした。

 さて、時間もあるので駅周りの観光スポットを巡ってみることにしました。うーめん番所からお城寄りに歩いて行くと、せせらぎが聞こえてきました。その音を求めて歩みを進めて行くと、道沿いに川が流れていました。道に沿って折れ曲がっている点から見て、おそらくお堀を兼ねているのでしょう。水はとても澄んでいて、川底にある水草が太陽に照らされて美しい緑色に輝いていました。なんだかこういうの好きだな。


豊かな流れの中に、鮮やかな緑。

 さらに進んで行くと、地図に載っていた武家屋敷を発見しました。想像よりもこじんまりとしていて、ちょっとがっかり。実はこの場所もJR東日本のポスターに載っていた場所です。そのイメージからさぞ風流な場所...と思いきや、なんてことのない風景だったりするのです。今回はまさにそれにあたります。プロのカメラマンの仕事っていうのは凄いものだと感心。


武家屋敷。プロのカメラマンの仕事はすごい!

 さて、ちょっと進んで振り返ってみると標識が出ていました。「武家屋敷」。英語にすると「Samurai Residence」...。なるほど、でもなんかちょっとイメージが違うような気も...? もっと気の利いた表し方はないものか?


ちょっと考え込んでしまいました。

 そのまま城趾公園に向かい、裏手から白石城に登ってみました。城趾は高さもそれほどではなく、丘のようなものですぐに登りきりました。中央に立つ白石城は伊達家家臣、片倉景綱の居城として有名です。支城という位置づけのためか、とてもコンパクトな佇まいでした。ただし今の天守閣は再建されたものだそうです。


白石城。とてもコンパクトなお城です。
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 時間に余裕もあったので、天守閣にも登ってみました。板張りの床はとても冷たくて、歩くのに難儀なほど。ただし陽の当たる南側の板間は陽射しで温まっていて、板の滑らかさもあって心地よかったです。また、天守閣からは市街地が一望できてなかなか壮観。遠くには新幹線の白石蔵王駅が見えたり、白石川の河川敷まで見渡せました。


白石蔵王駅方面。一直線に新幹線高架が伸びています。


こちらは市街地方面。ひなびた城下町。

 さて、12時を回ったのでそろそろ2軒目に行きましょう。帰りの電車までは1時間を切っているので、駅までの道の途中にあるお店にしました。行ったのは「味のいち藤」さんです。なぜここを選んだかというと、田舎で好きだったうどん屋さんと名前が同じだというだけです。
 歩き回ったおかげでもう一杯フルにいけそうだったので「天ぷらうーめん」にしました。ボリュームのある天麩羅が二つ載っていて色どりも綺麗。天麩羅というとちょっと濃い印象がありますが、スープがあっさりしていたので、意外にもあまりむつこくなく、するすると食べることができました。やっぱりうーめんは麺で食べさせるというよりも、すすってのど越しを楽しむスタイルがあっているようです。


市役所と駅の間にあるお店、「味のいち藤」さん。


ちょっと豪華にえび天入りうーめん1,100円。意外にさっぱり。

 あまり時間がなくなってきたので、そのまま白石駅に向かいました。本来ならここから折り返せばいいのですが、そのまま帰っても陽が落ちる前に着いてしまいます。それでは面白くないので、今回は常磐線経由で福島県の太平洋側を通り、いわき経由で帰ることにしました。みどりの窓口で「常磐線経由で東京まで。特急券はいわきから上野まで」と伝えて切符を作ってもらいましたが、聞き慣れないリクエストなのか駅員さんも困惑していました。すみませんややこしい要求で...。

 東北本線「普通 仙台行き」白石 13:00 → 岩沼 13:27

 まずは仙台行きの2両編成の電車に乗り、東北本線をそのまま北上します。白石川に沿って田園地帯を抜けると、やがて右手から線路が合流してきました。30分弱で岩沼に到着、ここで常磐線の電車に乗り換えます。


乗り換え駅の岩沼。実は仙台にかなり近い。
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 常磐線「普通 いわき行き」岩沼 13:36 → いわき 15:59

 9分の待ち合わせで岩沼を出発。こちらも2両編成でしたが、ベンチシートタイプのためあまり旅気分とは言えません。阿武隈川(河口はこんなに北にあったのは知りませんでした)を渡って数駅までは込んでいましたが、福島県に入るまでにはシートにもかなり空きができて座ることができました。
 さて、この区間を通ってみようと思ったのは理由があって、実はこの部分はバイクツーリングで走った中で空白地帯だったのです。私は金沢から沼津までの本州の海岸線の道をほぼ制覇しているのに、この部分だけは空白だったのです。とはいえこのあたりは特に観光地もないためになかなか走ろうと思うこともない。走りどころがあるかどうかの下見も兼ねるというわけです。
 福島県に入ってしばらく走ると、左手に太平洋が広がってきます。水平線が視界一杯に広がっていてなかなか壮観でした。場所によっては波しぶきが見られたりもしました。ただしこの区間はあまりにも景色が変わらなさすぎです。地図で見てある程度予想はしていたのですが、左手に海で右手に丘陵。所々に巨大工場はあるものの、かなり単調でした。やっぱりわざわざ走りに来る必要はなさそうかな...。
 2時間半弱かかって、ようやく中核都市のいわきに到着。ここからは特急で一気に東京へ向かうことにしました。


いわき駅に到着。ここから優等列車で一気に東京へ。
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 常磐線「特急 スーパーひたち50号 上野行き」いわき 16:16 → 上野 18:35

 到着が18:00を過ぎるので、駅弁を買って乗車しました。いわきではまだ自由席もがらがらで、海を見たかったので左側の座席をチョイス。日立付近では海のすぐそばを通るので、景色も楽しめました。特急のシートの乗り心地はさすがによくて、リクライニングしてリラックスできました。ベンチシートに座り続けると結構首が痛くなりますが、このシートのおかげでそれも解消。読書の方も進む進む。


夕焼けに染まる海。まだまだ日は短い。

 水戸を過ぎると上野までノンストップです。常磐線はかなりスピードを上げて走りますが、カーブも少ないので揺れも少なく快適でした。利根川を渡ると高層ビル群が増えてきて、「帰ってきたなー」という気分になります。海外出張に頻繁に行っていた頃によく京成スカイライナーで味わった感覚を思い出しました。

 山手線「内回り」上野 18:42 → 池袋 18:57

 上野からは山手線内回りで池袋へ。そこから私鉄に乗り換えて自宅まで戻りました。

 ということで味と鉄道の旅は無事終了しました。お目当てのうーめんも食べたし、駅弁で旅気分も味わえたし、太平洋の荒波も見られたし、なかなか濃厚な旅でした。さて、次はどこに行こうか? やっぱり思いきり積もった雪を見に行ってみようか...。


一筆書きで買えば良かった! ちょっと失敗...。

2010.01.09

信州上田、シネマ&そばツアー

 2010年、最初のお出かけは長野県上田市です。昨年見逃した映画「風が強く吹いている」で上映状況を調べると、ここにある「上田でんき館」でまだ上映していることが判明。ここなら大宮から新幹線1本、約1時間で行けるので、美味しいそばとセットで楽しんでくればいいと思い、行ってきました。上映は10:10からだったので、朝食を途中で摂ることも計算に入れて自宅を7:00に出発しました。

 武蔵野線→貨物線「ホリデー快速むさしの号 大宮行き」北朝霞 7:21 → 大宮 7:33

 実は出発を早めた理由がもう一つ、この列車の存在。この列車は北朝霞から大宮までノンストップで運行される列車なのです。普通なら武蔵浦和で埼京線か、南浦和で京浜東北線に乗り換える必要がありますが、この列車は貨物線を利用して直接大宮駅まで乗り入れてくれるので私にとっては非常にありがたい列車です。あっという間に大宮に到着。

 長野新幹線「あさま505号 長野行き」大宮 7:52 → 上田 8:40

 大宮からは長野新幹線で一気に上田へ。この列車は上田までノンストップなので、乗換以外停車なしになりました。さて、新幹線は自由席でしたが、かなりの混雑。スキー道具を抱えた人が多く、かなり込み合っていたためシートには座れず、デッキで立ちん坊になりました。ただ、乗車時間は1時間ないので充分許容範囲内です。碓氷の登りまではカーブも少ないので乗り心地もまずまずでした。

 定刻通り上田に到着。駅を出て意外に思ったのが周辺に全く積雪が見られないこと。遠く浅間山頂には雪が見られるものの、それ以外には全く白いものは見当たりません。その代わりやはり空気は冷たかった。まだ時間は充分あるので、駅周辺の飲食店で軽い朝食を摂って時間を潰して映画館に向かいました。


やってきました上田駅。意外にも周囲に積雪は見られず。

 映画館は駅から徒歩約10分のところにありました。一見、なんだか小ぎれいな公民館てな感じです。スクリーンは2つあって、ともに100席前後ですから大きいとは言えませんし、音響もそれなりですから都市部の映画館と比べると見劣りします。しかし以前はみんなこんな印象でしたから、ある意味懐かしさを感じました。お客さんも20人程度だったので、見やすい席を選んで落ち着いて鑑賞できました。


「上田でんき館」。ちょっと懐かしさ漂う雰囲気がいい。
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 映画の終了はちょうど昼時の12:25。そば屋は事前に調べていて、今回は「おお西」さんというお店に行ってみることにしました。上田にはもう一件「刀屋」という名物のおそば屋さんがありますが、「おお西」の方が色々メニューを選べそうだったのでこちらに行ってみることにしました。映画館かさらに10分ほど北に歩き、車の多い通りから一つ裏手に入ると歴史を感じさせる通りが広がっていました。


歴史のありそうな通り。酒屋さんが中心です。

 その通りの途中に、目指すおそば屋さんがありました。なんとも風流な雰囲気です。中に入ると店は広々としていて、テーブル席の他にも大きな座敷席もあり、大人数でも入れそうです。
 蕎麦は三種そばを注文しました。更科・田舎・挽きぐるみの三種類のそばが楽しめます。味の印象としては「粗々しい」という感じ。むしろ香りの方が非常に印象的。のど越しの良さよりもコシの強さの方に特徴がありそうです。


上田の「おお西」さん。三種そばは荒さの中に素朴な味が楽しめました。
(画像に触れると表示が変化します)

 他に特に見たいと思う場所もなかったので、そのまま帰途につくことにしました。

 長野新幹線「あさま528号 東京行き」上田 14:00 → 大宮 15:06

 時間が中途半端なこともあって、自由席もかなり空いていたため、座って戻ってこれました。ただこの路線、ほとんど高架橋を走るので景色の変化が少ないのがちょっと悲しいところです。揺れが少なく、西日に照らされて明るい車内のおかげで落ち着いた読書タイムを過ごせました。

 大宮からは買い物するために川越に寄ってから自宅に戻ってきました。今回の旅、それほどあちこち見どころを巡った訳でもありませんが、日常からの脱出という点では成功したでしょうか。長野まで意外に近くなっていたということを改めて実感。これなら一日を最大限に使って善光寺などに行ってみたりするのも面白そうです。